欧州の左派は「現実的」日本の左派は「観念論」 中曽根康弘が海外視察で学んだこと
先月末、101歳で逝去した中曽根康弘元首相。約5年に及ぶ長期政権を実現する中で、米国のロナルド・レーガン大統領とロン・ヤス関係と称される蜜月関係を築き、日本列島を「不沈空母」のようにするという発言で物議を醸したこともあった。
はたして、中曽根は外交と安保について、どのような構想を抱いていたのだろうか。それを考えるヒントを提供してくれるのが、東大名誉教授で国際協力機構(JICA)理事長を務める北岡伸一氏の著書『世界地図を読み直す:協力と均衡の地政学』(新潮選書)だ。...