市川海老蔵、舞台「オイディプス」は大盛況、飲み会で出席者が感心したワケ

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勘九郎と七之助がライバルだが……

 ちなみに週刊新潮では、今年9月「『海老蔵』『勘九郎』『吉右衛門』夏の歌舞伎界は子役ばかり」の記事を掲載した。文中では勸玄くんのチケットが売れていることを「歌舞伎担当のベテラン記者」が明かしている。

《「『七月大歌舞伎』での勸玄くん人気はすさまじく、出演する昼の部のチケットは出演しない夜の部に比べていち早く完売。夜の部は海老蔵がひとりで十三役に挑むと、話題になっていたにもかかわらず、です」》

 歌舞伎界の人気を親子で牽引するだけあり、梨園の改革にも熱心なようだ。12月5日号には「『海老蔵』が進める『梨園の働き方改革』に松竹社長の本音」が載った。

 記事は《かねて海老蔵は、興行日数を短くしたり休園日を設けるよう提言してきた》との一文から始まり、東京・新橋演舞場の初日が1月3日に決まったこととの関係を取材したものだ。

 目を引くのは、團十郎襲名により巨額の売上が予想されているという記述だ。《披露公演やグッズ販売などで10億円以上の売り上げが見込まれている》という。

 ただ記事の結論としては松竹の迫本淳一社長が取材に応じ、「3日が初日になったのは海老蔵の要望を全面的に受け止めたわけではない」と否定したことは書き添えておく。

「海老蔵さんのライバルといえば、中村勘九郎さん(38)と中村七之助さん(36)の名前を挙げる人は多いと思います。2人とも極めて芸達者ですが、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の低視聴率で勘九郎さんがミソを付けてしまった不運もあり、意外に観客動員が伸びません。チケットの売れ行きという観点なら、海老蔵さんが頭一つ抜けたとみていいのではないでしょうか」(歌舞伎ファンのライター)

 改めて振り返ってみれば、苦難に見舞われながらも歌舞伎に精進を重ねてきた海老蔵の姿勢が浮かび上がる。世論が彼を認めた最大の理由は、それだろう。最近、海老蔵の“素顔”に触れた関係者も、「ストイックな生活スタイルに感心しました」と明かす。

「海老蔵さんは10月、東京・渋谷のシアターコクーンで、ギリシャ悲劇の『オイディプス』に出演し、主人公を演じました。『海老蔵として最後の現代劇』との宣伝が注目を集め、黒木瞳さん(59)、森山未來さん(35)との共演、イギリスの演劇界で活躍するマシュー・ダンスターさん(49)が舞台監督という豪華な顔ぶれも話題になりました。その時に開かれた飲み会が業界でも話題になったんです」(同・ライター)

 日本風に言えば海老蔵は座長。公演中は特にコミュニケーションを密接にするべく、若手の出演者やスタッフを連れて飲み会を何回か開いたという。

「飲み会で海老蔵さんはウーロン茶しか飲まず、それ以外はたまに炭酸水を口にするだけでした。あの事件以来、小林麻央さんと子供たちには禁酒と禁煙を誓ったそうで、それを今も守っているのです。さらに女性セブンが10月17日号で監督のダンスターさんと不仲説を報じました。実際に衝突したことはあったそうですが、最後は意気投合したそうです。今の歌舞伎界は自分が引っ張らなければならないという責任感が、彼を今も成長させているのだと思います」(同・ライター)

 来年は襲名だけでなく、東京五輪の開幕式への出場が取り沙汰されている。詳細は全く不明だとはいえ、どちらも安心して任せていいのではないだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月5日号掲載

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