教師に「職員室からスマホ持ち出し禁止」させた教育委員会の言い分

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「トイレで盗撮事件」

 そうまでしてスマホを遠ざけるのは何ゆえか。

「スマホの存在自体が、子供や保護者を不安にさせているのが、強い指針を出した大きな理由です」

 と話すのは、ガイドラインを策定した市教委の責任者である花井和徳教育長だ。

「学校は安心して学べる場、人権を侵害されてはならないところですが、8月以降、教師によるスマホを使ったトイレでの盗撮事件などの不祥事が立て続けに5件起こってしまいました。そのため、先生たちは疑惑の目に晒され、教室でスマホを使っているけど本当に授業のために使っているのか、といった苦情も保護者の方々から届きました。ある校長からは、モラルの問題ではないかという声も出ましたが、まずはルールを定めて信頼回復に努める必要があると判断しました」

 現場の弊害には目を瞑り、“外圧”に屈した格好だが、浜松市のトップである鈴木康友市長を直撃すると、

「うん? 教育委員会の話ですから。全部、教育委員会に聞いてください」

 と言って立ち去ろうとする。肝心の首長が他人事では、センセイたちのストレスは溜まるばかり。また再び“スマホ盗撮”が起きなければいいのだが……。

週刊新潮 2019年12月5日号掲載

ワイド特集「魔の最終コーナー」より

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