神田松之丞、伯山襲名会見で春風亭昇太は「この人は売れないと思ったんだけどな……」
自称“講談界の風雲児”神田松之丞(36)が、来年2月に真打ち昇進、しかも9人抜きの抜擢昇進だ。二つ目にしてテレビやラジオで冠番組を持ち、今や最も有名な講談師となった松之丞の昇進は、遅きに失した感もある。まさか、その穴埋めというわけでもなかろうが、昇進と同時に、40年以上途絶えていた大名跡・伯山の6代目襲名も決まった。
12月2日、都内のホテルでその思いを語った。だが、彼の隣には、所属する落語芸術協会会長として春風亭昇太(59)が座ったために、会見が大真面目に進むはずもなく、最終的には講談でも落語でもなく漫才に――。
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そもそも事前に配布された資料では、松之丞と昇太は隣り合うはずではなかった。ところが、会見が始まると、向かって右から昇太、松之丞、松之丞の師匠・神田松鯉(77)、そして噺家の春風亭柳橋(63)の順で座った。
司会:来年2月中席より真打ちに昇進いたします松之丞改め、6代目神田伯山真打ち昇進襲名記者会見を開催させていただきます。開催に先立ちまして、公益社団法人落語芸術協会会長、春風亭昇太よりご挨拶申し上げます。
昇太:えー、皆様、今日はどうもありがとうございます。お忙しい中お集まりいただきまして。このたび、また我が落語芸術協会から、期待の真打ちが誕生することになりまして、今一番の売れっ子の松之丞くんが来年2月11日から真打ち昇進という運びになりました。そして名前が変わりまして、神田伯山という、これはもう本当に大名跡でありまして、これを継いでこれからも講談界を引っ張っていってくれるんじゃないかな、と期待もしておりますし、我が協会としても自信をもって送り出す真打ちでございますので、皆様の応援のほうもよろしくお願いいたします。
――歌舞伎と違って、芸人の襲名会見は笑わせるものだ。だが、なんだか昇太が堅い。司会から、公益社団法人の会長と紹介されたためか、それとも1番手だったからなのか、笑わせることを忘れたように、浮かぬ顔のまま副会長の柳橋へと続く。
柳橋:どうも皆さん、お集まりいただきましてありがとうございます。ただ今、昇太会長から申し上げた通りでございますけれども、(中略)伯山というのも数十年ぶりに復活した名前でございますし、これから彼が“令和の大名人”と言われることが何十年か後にあるんじゃないかと期待しております。もちろん今でも非常に人気があって、お客さんにも大勢いらしていただけるものですから、彼が出るとことには我々もこぞって出て、一緒に儲けようと思っているところでございます……。
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