幼少期の性被害で負った「心の傷」を不倫で癒やす女医の告白
アラフォーで初めて「気持ちいい」を知った
二村:将来の約束も子どもも経済力もいらない、妻という立場への嫉妬もないとなったら、そりゃお相手は既婚者のほうがラクですよね。そうすると、祥子さんと彼は「体のつながり」だけってことですか。
祥子さん:というか私、若い頃はそもそもあまりそれが好きじゃなくて。今の彼で初めて気持ちいいと思えたんですね。40手前でやっと分かったなんてお恥ずかしい話ですけど。
二村:いやいや、そういう女性は多いですよ。あなただけじゃないでしょう。
祥子さん:最初は私があまりにあっさりしているものだから、彼も戸惑ったと思います。でも彼はそこで諦めなかったんですよね。もともと女性が大好きな人だから、私の反応が薄いことで逆に火がついたみたい。気持ちいいところをゆっくり時間をかけていろいろ探してくれて、しつこいけど優しかったんです。それでだんだん私も反応するようになって。
二村:医者のはエロいって話がありますよね。
祥子さん:はあ、そうなんですかね(笑)。あとはやっぱり、痛くなかったというのが大きかったかな。経験人数は人並みにあるつもりですけど、それまでの人は全員、何回やっても痛かったんです。相手が終わるまで、ただただ忍耐の時間で。
二村:「痛い」という女性は本当にいっぱいいるんですよ。そういう女性たちは、男がコンプレックスを抱きがちな大きさだの持久力だのは全然求めていないみたいですね。
祥子さん:まったくないですね。さすがに面と向かっては言えませんけどね、男性はそこにこだわってるみたいだから。
二村:機能にはあんまり自信のない男のほうが、女性の反応をよく見ながらあれこれ工夫を凝らすから結果的に評価が高くなるっていう事例もありますね。でも、よかったじゃないですか。不倫はさておき、アラフォーで初めて気持ちよさに目覚めるなんて、それは世の中のあまり感じない女性に夢を持たせる話ですよ。若い頃はどうだったんですか? 性的なことはあまりお好きではないと自覚しながらも、恋愛はしていたんですよね。
祥子さん:そうですね。男性を嫌いとか、怖いと思うことはなかったんですが、性的な目で見られることにはちょっと抵抗があったかな。
二村:異性に身体を触れられることも好きではなかった?
祥子さん:好きな人とイチャイチャするのは好きでしたよ。ただ、いわゆる快感というものが本当に分からなかったんですよね。
二村:一人ではやってみました?
祥子さん:何度かしてみたことはありますけど、正直よくわからなかったです。
二村:若い頃の祥子さんは、たまたまそういう時期だったってことですよね。相手の身体を受け入れたくなかったし、自分の身体にもそんなに触りたくなかった。で、それも決して特殊なことではないんです。そういう女性は世の中にいっぱいいます。
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