「八海山」ラベル巡る騒動 “無断でグッズに転用された” 篆刻家が著作権を主張
“著作権はない”
事例は他にもある。2002年には古川氏の代表作である「金剛心」を使いたいと、現在の3代目社長である南雲二郎氏から依頼され、
「その時も同じ条件で日展出品の『金剛心』の控えをお渡ししました。ですが、翌年、実物が送られてきて、驚きました。それには作品を縮小した鑑賞用レプリカがこちらの許可なく付録となっていたのです」
結局、純米大吟醸「金剛心」として同社から発売されてしまう。
「作品をお渡しする時、一部で金銭などをいただいたこともありますが、勝手な使用が過ぎます。しかも抗議すると、“そちらに著作権はない”という内容証明までが届くのです」
香奈枝さんの代理人である秋田一惠弁護士は、
「目的を偽り、作品を承諾なく使用している以上、著作権法違反に該当します。今月13日には酒のラベル以外での使用・販売を禁止するための仮処分申立を東京地裁に提出しています」
さて、当の南雲社長に事の経緯を尋ねると、
「よくわからない。仲良くやっていたつもりだけど」
作り手に対する軽視が窺われるご見解。Tシャツやトートバッグなど、売り物への使用には謝礼を支払うべきではないか。まさか、著作物も勝手に“分解”していいとお思いなのだろうか。
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