井上尚弥 「海外進出は大賛成」元王者・内山高志が太鼓判

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 団体を超えて世界一を決めるトーナメント戦「WBSS」でバンタム級の頂点に立った井上尚弥(26)。今度は、階級を超えたアメリカの最強番付“パウンド・フォー・パウンド”で3位にランクインした。日本人初の快挙である。

 試合後に米大手プロモーターと契約した井上は、向こう2試合を米国で戦う見通し。現地アメリカでの期待度はいや増すばかりだ。

「海外進出は大賛成です」

 と語るのは、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏。

「ラスベガスは、ボクサーなら誰しもが憧れるボクシングの聖地。何万人もの観客の前で名ボクサーたちが試合をしてきました。僕も行きたかったですよ」

 しかし、日本人のアメリカ進出には障壁が多い。

「プロモーターにしてみれば、日本国内の方が試合を組みやすいですから。僕の場合は、年齢の問題もありました。チャンピオンになったのが30歳で、海外の話が来たのが33~34歳の頃。その後のボクシング人生を考えるとあと数試合しかない。そんな状況で賭けに出るのは難しかった。その点、尚弥はまだ26歳。若さも大きな魅力です」

 日本とアメリカではファン気質も違う。日本のファンは選手に付いていて、勝てば喜んでもらえる。だが、アメリカのファンはボクシングそのものが目当てで、わざわざペイパービューでお金を払って中継を観る。

「強いボクサーの面白い試合を観たいのであって、つまらない試合をするとすぐにソッポを向かれてしまいます。でも、技術とパワーを兼ね備える尚弥ならそれも大丈夫。元々KO率が高いボクサーですが、KOできなかったWBSS決勝も12ラウンド全く飽きさせませんでした。世界を相手に“日本人は強い”ということを証明してくれるボクサーだと思います」

 今後の中継が有料になるのなら少し残念だけど……。

週刊新潮 2019年11月28日号掲載

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