久保建英の「背番号17」にはワケがあった
本誌(「週刊新潮」)既報通り、サッカー日本代表の中核を担う中島翔哉(25)の契約先がアディダスからミズノに変わった。
実は、これで変わるのは、彼が履く靴だけではない。
日本サッカー協会関係者が語る。
「彼の背番号10はエースナンバーで、代々、協会最大のスポンサーの一つであるアディダスの契約選手が付けているんです。“10”は、ユニフォーム販売面でもエースですからね。中島も10番を返上する覚悟でミズノと契約したはずです」
では中島に代わって誰が“10”を背負うのか。
「いま最も注目を集める選手、久保建英(18)をおいて他にいません」
久保はアディダス契約選手だ。が、A代表でレギュラーですらない。それでも、
「3年後のW杯には絶対10番を付けさせる、とアディダスも協会も決めています。17日に行われた五輪世代U-22代表の対コロンビア親善試合はその布石でした」
どういうことか。
「W杯の前に、来年の東京五輪で彼に10番を背負わせて、地ならしをしたい。でも、五輪のために結成されたチームに久保は呼ばれたことがありませんでした」
U-22は所属クラブへの強制徴発権が及ばない、という背景もあった。
「そこで今回、協会は一計を案じた。強制権があり、同時期に行われるA代表の2試合に久保を呼ばない代わりに“1試合でいいのでU-22の方で貸して”と所属に持ちかけたのです」
めでたく初招集となった久保だが、背番号は17番。
「久保にとってはU-22も飛び級。“下級生”がいきなり来て10番ではチーム内の不和を招きかねない」
この試合で久保に活躍してもらい、次戦からは晴れて“10”に――というのが協会の思惑だった。ところが、結果は0-2と完敗。
「久保はそれなりに見せ場を作りましたけど、エースは勝敗に責任を負う存在。10番の仕事としては不合格と言わざるを得ない」
こうなると、五輪前に再び策を弄して彼をU-22に呼ぶか、ぶっつけの五輪で強引に“10”にするしかない。
「所属するスペインリーグやA代表で大活躍すれば文句は出ませんが、それはそれで難しいですし……」
たかが10番、されど10番。