討ち入りにかかった費用は約9500万円! 映画「決算!忠臣蔵」公開記念・中村義洋監督×濱田岳対談

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遊郭の前で

濱田 大阪が舞台になったNHKの朝ドラですね。

中村 演技のために、岳が関西弁をみっちり勉強している、という話をキャッチしてね。脚本の中に出てくる赤穂藩士で、茶道や俳句を嗜む大高源五にあなたを当てはめてみたら、スルスルと筆が進むようになりました。改めて、すごい役者になられたなあと、感慨無量でした。それに、どんな映画、小説でも、物語に入り込むためにはお客さんや読者と近い目線まで下りてきてくれる登場人物が必要。大高源五の視点は、ちょっと現代人ぽいのがピッタリなんです。

濱田 かなりそうですね。

中村 小説の方でも、未来からやって来たかのような雰囲気を出しています。

濱田 討ち入りに対して、赤穂浪士の中でも一番冷ややかというか、イケイケどんどん、という感じのお侍さんじゃないですもんね。

中村 ちなみに、彼は借金もしていてね。さっき話した「請払帳」には、内蔵助にお金を恵んでもらっている武士がいっぱい出てくる。そのうちの一人が源五です。さらに彼は、大阪商人からも借金をしていて、句集を出したという話もあります。

濱田 演じていても、なんだか不思議な人だと思う。

中村 源五は謎が多いけど面白い。ちなみに、映画では遊郭の前でスケベ面をした彼と内蔵助が並んでいるシーンがあって、岳と堤さんの表情に「説得力」があっていいなと思いましたよ。ところで、私の小説は読んでくれましたか。

濱田 読みました。

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