文在寅「亡命者ではない」の一点張りで脱北者を強制送還した真意

国際 韓国・北朝鮮

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 今月7日、韓国統一部が行った発表に国際社会は度胆を抜かれた。

 文在寅政権が、韓国の領海内で拿捕した脱北者の男性2名を北朝鮮に強制送還したのだ。

「強制送還された脱北者は殺されるか拷問を受けるかのどちらか。男性2人は騒がないよう目隠しと猿ぐつわをされ、板門店まで連れて行かれたそうですが、目隠しを外され、北朝鮮当局員の姿を目にした途端、腰を抜かして座り込んでしまったといいます」(現地記者)

 国内外から批判を浴びることになった韓国政府だが、

「文大統領は“亡命者ではない”の一点張り。なんでも、彼らは密漁に出た船上で16名の乗組員を次々と殺害。逃走中に拿捕したもので、政治的亡命者ではなく凶悪犯。北朝鮮に送還するのは当然だというのです」

 さらに、

「その方法も、就寝中の船員を2人ずつ起こして甲板に呼び出し、斧1本とハンマーだけで次々と殺害するという説明だった。木造のボロ船上で、わずか4時間のうちに16人が殺されたことになりますが、そんな映画みたいな話が現実に起こるとは思えません」

 では、藁にもすがる思いの脱北者を非情にも切り捨てた文大統領の真意はどこにあるのか。

「今の文さんには、金正恩委員長の訪韓が、喉から手が出るほどほしいんですよ」

 来年4月には総選挙を迎える韓国政界。

「経済も対日外交も失策続きの文さんは、それまでに“実績”を作りたい。今月14日には、北朝鮮で拘束され死亡した米国人青年の両親の面会要請を断ったことが発覚しましたし、国連の北朝鮮人権決議案の共同提案国からも外れてしまった」

 都合の良い“人権”感覚だこと。

週刊新潮 2019年11月28日号掲載

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