大学入試改革、何故すべての道は「ベネッセ」に通じる? 受験産業が入試に関わる危険性
「大学入試改革」何故すべての道はベネッセに通じるのか?(2/2)
大学入学共通テストに導入予定だった英語の民間試験は、「身の丈」発言が波紋をひろげ、実施が見送られることとなった。そして今度は、国語と数学の「記述式問題」にも教育界から疑問の声が上がる。採点者の質の確保や、“採点の質”をチェックする仕組みがないためだ(前回参照)。
今回、記述式問題の採点業務を61億円で落札したのは、ベネッセホールディングスの子会社・学力評価研究機構。衆院文科委員会では「(採点者は)アルバイトもいる。学生か社会人かは問うていない」(ベネッセの学校カンパニー長・山崎昌樹氏)との発言も飛び出し、採点への不安は高まっている。
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だが、もっと心許ないのは、自己採点する受験生だろう。入試改革を考える会代表で中京大学教授の大内裕和氏が言う。
「記述式問題は試験後に自己採点を正確に行うのが難しく、プレテストでは国語の自己採点と採点結果の一致率が7割程度にとどまりました。受験生は採点結果が通知される前に出願する大学を決めざるをえず、この不一致は、受験する大学の選択や合否予測に甚大な悪影響をおよぼします」
英語民間試験は言うにおよばず、記述式問題も欠陥の塊であるような大学入試改革が、なぜろくに検証されずにここまで進んできたのか。あらためて経緯を簡単に振り返っておきたい。
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