沢尻エリカ代役に超大穴の「川口春奈」 期待と不安が交錯するウラ事情

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川口は“最低視聴率”の記録保持者

 しかし最終的には、川口に白羽の矢が立った。彼女のプロフィールを確認しておこう。1995年生まれ、長崎県の出身。そして所属事務所は研音だ。スタッフ氏が解説する。

「沢尻容疑者と親交があったため、片瀬那奈さん(38)にもマスコミや世間の注目が集まっています。そして片瀬さんの所属事務所も研音です。かつて中山秀征さん(52)と沢尻容疑者の間に確執があったが、『シューイチ』(日本テレビ系列・日曜・7:30)で中山さんと共演している片瀬さんが仲をとりもったと言われるほど、沢尻と片瀬さんは親密な関係でした。研音はNHKに協力することで、火の粉が降りかかってこないように予防線を張ったのかもしれません」

 さらに抜擢された川口については、その実力を高く評価しながらも、不安も拭えないと指摘する。

「川口さんは確かに綺麗です。濃姫役は、はまるかもしれません。映画の主演作も公開されていますから、24歳という年齢にしては場数も踏んでいます。真面目な優等生タイプで、不祥事などとは無縁です。NHKからするとありがたく、その点は高く評価したでしょう。しかしながら、私たち民放のドラマ関係者の間では、『連ドラ史上最低視聴率記録』を持つ女優さんとして有名です」

 2013年10月、TBS系列は川口春奈主演で連続ドラマ「夫のカノジョ」を木曜の午後9時からスタートさせた。ところが裏番組の1つがテレビ朝日系列の「ドクターX」だったこともあり、視聴率は第1回から低迷した。

 そして第5話は平均視聴率3・0%を記録。これが「テレビ東京を除く、プライムタイムに放送された連続テレビドラマにおける最低視聴率」を更新してしまったのだ。

 このためスタッフ氏は「NHKは本当に川口さんで大丈夫なのか、民放の私たちが不安に感じてしまいます」と漏らす。

「今年1月から日本テレビ系列で放送された『イノセンス 冤罪弁護士』でも川口さんはヒロインを務めましたが、平均視聴率9・1%と苦戦しました。川口さんの容姿は誰もが美人だと認めるでしょうが、それだけではダメです。正直言って、彼女が視聴者を夢中にさせるような演技や存在感を発揮できるとは思えません。沢尻さんや剛力さんは昔からアンチが多く、ネット上で叩かれながらも、視聴者の関心を集めてきたのとは対照的です」

 プロの厳しい指摘、と思う方も多いだろう。ところがツイッターを丁寧に見てみると、決してそうとも言い切れない。

 例えば「初大河が代役の曰く付きってちょっとかわいそう」や「なんか、幸せな出演のしかたじゃないなぁ」というツイートは、先に見た「代役で変なイメージが付く」ことを視聴者が不安視しているということだろう。

 視聴率を不安視するツイートも散見される。

「確かに美系で『濃姫の気品』を感じさせるものがある。ただ運にめぐまれないのか、今まで『これは』といったドラマに起用されていない」

「うーむ。ちょっとパンチが足りないのでは? 川口春奈が出るドラマは軒並み視聴率が低いから、大河もどうなることやら…」

「視聴率取れない女優じゃなかったっけ? 大丈夫かな?」

 さらにNHKにとって不安なのは、多くのツイートは川口に「頑張って」と心からの声援を送りながらも、最後に「でも大河は見ないからね」と付け加えているところだ。

 興味深いことに、川口はコメディエンヌの才があるのか、笑いを取りに行くと好意的な反応が多い。18年の大晦日に放送された「絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!」にスケバン役を熱演。松本人志(56)を「うるせぇプロテイン」と罵倒するなどした怪演は視聴者の爆笑を呼び、今でも鮮明な記憶を持つ者が少なくない。

 さらに今回の代役が発表されると、川口が13年の映画「謝罪の王様」[東宝・監督:水田伸生(61)]に出演したシーンが話題となった。何と映画の舞台あいさつに金髪のカツラで登場し、悪態をつきながら「別に……」とつぶやく女優を演じているのだ。

 川口にとって幸いなことに、演じる濃姫は謎の多い女性だ。何しろ没年さえ明らかになっていないほどである。人名として流布している「濃姫」も、実は「美濃国の高貴な女性」という意味でしかなく、本名は「帰蝶」や「胡蝶」など諸説がある。

「笑ってはいけない」や「謝罪の王様」などの活躍を見れば、川口が視聴者に愛される要素を持っていることは間違いない。思い切って川口しか演じられない濃姫/帰蝶役を誕生させれば、良いのではないか。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月22日掲載

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