「男選びくらい間違えるなよ」彼女たちが虐待死事件の加害者男性ではなく被害者の母親をバッシングする理由

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 拙著『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)がありがたいことに7度目の重版がかかった(2019年11月現在)。地元宮崎市の書店でも「著者の姫野さんは宮崎出身です」というポップが立てられたり、地元の人が多く購読している宮崎日日新聞に広告を出していただいたことから私は今、地元ではちょっとした著名人になりつつあるようだ。

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地元の元同級生の最大の関心事

 そんな中、小中高の同級生からのFacebookの友達申請が相次いでいる。小学生の頃仲良くしていて、中学以降はそれきりになっていた子もいたが、たいていはそこまで仲が良くなかった人や、私にいじめとも言える嫌がらせをしてきた人も含まれている。基本的に私は直接の知人か仕事関係者しか申請を承認していない。しかし、同級生たちは一応「会ったことのある直接の知人」なので承認している。彼らからコメントがつけば社交辞令程度のコメントを返すが、自ら彼ら・彼女らの投稿に書き込むことはない。

 承認ボタンをクリックする瞬間は毎回「俺(私)、この売れてるライターと知り合いなんだぜ」とでも言いたいのだろうかとマイナスな思考がよぎる。前回の連載でも書いたが、私はSNSを使い分けており、Facebookは主に仕事用として使用している。

 私は中高時代を進学校で過ごした。中高時代の同級生たちは大学進学のため一旦県外に出る人が多かったが、小学校時代の同級生は地元に留まる人が多い傾向にある。当時の宮崎の中高生の学力は決して高くはなく、全国区で言うと下から数えた方が早いほうだった。地元から出たことがない組は中卒の人も多い。そして、特に何の資格も持っていない中卒女性は18歳以下でも水商売や性風俗店、同じく高校をドロップアウトした男性は日雇いの建設現場や半グレ的な仕事を請け負って生計を立てていることもあった。

 そして、32歳というこの年齢は、地元組のほとんどが育児の真っ最中だ。彼女らのFacebookをスクロールすると毎日のように子どもの写真や動画がアップされている。彼女たちにとって今、育児とパート先しか生活圏にないので、そもそもアップするネタがないのだ。こう言うと私が冷たい人間に思われてしまうかもしれないが、よほど愛嬌のある写真や動画でない限り、他人の子どもを見ても可愛いという感情が湧いてこない(改めてなんて冷酷な人間なんだ……)。

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