政治家とTwitter(KAZUYA)

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 短くまとめて喋ると、簡潔故に伝わりやすい反面、説明を省いているため誤解を招きやすいものです。

 Twitterは140という文字数制限があるからこそ、気軽につぶやくことが出来ます。しかし短文にまとめる都合で政治的な話題では誤解を招くこともありますし、敵対勢力からは意図的な曲解をされて叩かれる可能性も秘めています。

 Twitterは魔界です。

 政治家のTwitter利用もどんどん増えていますが、うまく自分のプロモーションに活用できている人は少数しか見受けられません。政治家の場合、Twitterでヘンテコな発言をすると、バカだと思われるという致命的なリスクがあります。

 気軽にツイートしてしまいがちですが、政治家がプロモーションとしてTwitterをやるのであれば、140文字を慎重に構築すべきでしょう。

 そして通常のツイートを慎重にするのと同時に、政治家は寄せられた意見に対して、返信をすべきではありません。通常のツイートでさえボロが出る可能性があるのに、返信までしていくと、炎上リスクが高まるだけなのです。よほどバランス感覚が優れた人でない限り控えるほうが安全です。

 自民党の三原じゅん子参院議員は寄せられた意見に返信する形で「政権を握っているのは総理大臣だけ」とツイートし、「安倍独裁と認めたのか?」「議院内閣制を理解していない」など批判が殺到しました。三原氏の意図は不明ですが、軽率なツイートでしょう。右も左も敵対勢力の政治家がTwitterで失言するのを待っています。それにうっかりはまらないように注意が必要です。

 Twitterで国民と交流するのは良いですが、あくまで政治以外の話題に留めるのが一番賢い使い方です。

 例えば「今日は私の誕生日なのでお祝いしてください」といった投稿があれば、「おめでとうございます」と返信すると喜んでくれるでしょう。一方で「今発生している○○の問題について意見をください」といった類のものはTwitterで返信すると誤解を招くだけです。ニュース記事を引用する形で短く意見を表明するのは問題ありません。むしろそれは断言するような形で言い切ったほうがTwitter的には広がりやすいです。しかし意見を求められた場合はすぐに返信せず、YouTubeなど映像媒体で発信した方が誤解を招かず良いでしょう。本格的な意見の表明は140文字のTwitterでは無理があります。やたらと意見を求めてくるのは、支持者を装ったアンチの可能性もあるため、慎重にやる必要があるのです。

 河野太郎防衛大臣は現在うまくTwitterを活用している政治家の一人です。彼は政治的な話題についてはほぼ返信をしません。一方でネタツイートには頻繁に返信を行い、フォロワーとの絶妙な距離感を演出しています。

 この微妙なさじ加減が重要です。ただ基本としてはこれまで書いたように【政治の話題は一方的に発信、返信は政治以外の話題だけ】を守れば炎上リスクは多少抑えられるでしょう。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者68万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2019年11月21日号掲載

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