「大塚家具」赤字30億円でも業績予想を下方修正せず 久美子社長もついにお手上げ?

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 11月14日、大塚家具が第3四半期(2019年1~9月期)決算を発表した。最終利益は30億6200万円の赤字――もはやこの程度の赤字に驚く方もあまりいないかもしれない。

 ところが、第1四半期から膨らみ続ける赤字を前にしても、来年4月期には黒字にするという業績予想は据え置くという。これには驚きと同時に呆れる声が――。

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 まずは2020年4月期の業績予想と、今年発表された第1四半期(19年1月~3月)、第2四半期(1月~6月)、第3四半期(1月~9月)の決算をご覧頂こう。

 今年、大塚家具が大きく変わったのは決算期だ。これまでの12月31日決算を4月30日に変更したのだ。つまり今年だけ、1月から来年4月までの16カ月間の決算となる。さらに例年2月頃に発表していた業績予測は、5月の発表となった。

 ジックリと考えたと思われる業績予測は、売上高442億円、最終損益2500万円の黒字を見込んでいた。

 しかし、その予測は第1四半期から崩れはじめた。単純計算で、ひと月27・6億円、3カ月で82・8億円を売り上げなければならないはずだが、第1四半期の売上は68億3000万円、8億2800万円の赤字に。第2四半期も同様で、この度発表された第3四半期では、売上210億300万円、30億6200万円の赤字となった。

 事情通が語る。

「大塚家具なら、この程度の赤字は驚くに値しません。しかし、今回の発表で業績予測を据え置くと発表したのにはビックリしたというより呆れましたね。曲がりなりにも、決算短信は投資家やマーケットが企業の判断材料とするものです。にもかかわらず、来年4月の決算で予測通りの結果を出すには、残りの7カ月で、これまでの9ヶ月間の売上(210億円)よりも多い231億円を売り上げなければいけないわけです。これはひと月に33億円を売り上げなければ達成できません。ここまで予測と食い違いを見せておきながら、下方修正もしないなんて、何を考えているのやら」

 大塚家具の業績予測が、現実とかけ離れた“絵に描いた餅”であることは言うまでもない。過去の業績予測と結果を見てもらおう。比較しやすいように過去の第3四半期のデータも入れた。ちなみに大塚久美子社長(51)が全権を担うことになったのは15年3月の株主総会からだ。

 各年の第3四半期を見ると、久美子社長が就任して以来、5期連続で赤字を計上していることが分かる。

「それでも15年は、世間を騒がせた親子ゲンカの“お詫びセール”や年末セールで、最終的には黒字化した。しかし、彼女が黒字化できたのはその年だけです。毎年、黒字を謳いながら、16年には45億円、17年には72億円、昨年は32億円の大赤字を計上し続けてきた。今年の業績予測は、2500万円の黒字と珍しく控えめでしたが、これも達成は不可能でしょう」(同)

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