自衛官を辞めて専業主夫になった夫とは「もう無理…」そして彼女は不倫にハマった
そういうことに凝らない夫
舞衣さん:私は精悍で男らしい彼が好きだったんです。自衛隊の制服姿も凛々しくて、結婚してからも見るたびに、ときめいていましたから。だからそこがスポッと抜けた瞬間に、全然かっこよく見えなくなっちゃった。どんなに家のことやってくれても「嬉しいけど、私がしたいと思うような魅力はない」っていう。
二村:夫とレスになった理由に「子ども産んだら旦那のことが気持ち悪くなった」っていう女性の声はよく聞くけど、舞衣さんの場合はそうじゃないんだね。それまでは、どうだったんですか。
舞衣さん:もともと、ちょっと不満はあったんです。普段からハグとか軽いキスとかがあるならいいけど、何もないところからいきなりガッと来るので。
二村:奥さんをその気にさせていないのに、夫婦なんだからやるのは当然とばかりに雑にいたすというのは、よくないよね。
舞衣さん:考えてみると夫はもともとそういうことに凝るってことをしない人で。むしろ行為自体そんなに好きではないのかもしれない。体力はめっちゃあるんですけど、なんか、体操みたいにこなしてる感じなんですよね。
二村:それでも、そのへんの不一致が原因で離婚しようとは思わなかったんですね。
舞衣さん:息子のことを考えたらできなかったです。夫を人として嫌いになったわけじゃ全然ないし、家のこと全部まわしてくれるのはやっぱりありがたいので。言い方は悪いけど、今は完全に“生活のインフラ”ですね。
二村:その後、旦那さんとはどれくらいレスだったんですか。
舞衣さん:1人目を産んだ後からだんだん遠のいて、その後はポツ、ポツと。だから2人目ができたのも驚いたんです。
まだ「女」であることを証明してくれた相手は
二村:不倫は、誰と、どんなふうに?
舞衣さん:いわゆる同窓会不倫ですね。実は17歳の時に初体験した相手と再会して、また付き合ってるんです。もちろん向こうにも奥さんとお子さんがいて。
二村:そういうの、本当にあるんだ……。
舞衣さん:バカですよね。お互いもういい年だし、再会したら幻滅すると思ってたけど、同窓会で会ったら意外といい感じだったんですよね。二次会が終わって私が先に帰る時に、駅まで送ってくれて「次はいつ会える?」と。後日、2人で飲みに行ったんですが、その帰り際に「舞衣は、自分の家庭を絶対に壊さないよね?」と急に聞かれたんです。「当たり前でしょ」って答えたら「じゃあこれからは月1で会おうよ」って。
二村:彼は確かめたんだね。あなたの家庭がうまくいってなかった場合、あなたが彼に執着しちゃって離婚沙汰になるって可能性もあるから。彼だって、あなたと会いたいけど奥さんと別れたいわけじゃないし、子どもにも嫌われたくはないんでしょう。
舞衣さん:そこはもう割り切ってます、お互いに。それで2回目に会った時、食事が終わって帰り道で「部屋とってあるから行こう」って。
二村:べタですね。向こうも初めての浮気だったのかな?
舞衣さん:さあ、それはわかりません。でも彼は、そういうことが自分にできるのか試したかった感じはありましたね。それは、私自身も。2人目を産んでからというもの、年々身体のラインが崩れてきてるなっていう実感があって、そろそろ男の人を喜ばせることなんてできないだろうという恐怖心があったんです。でも彼は、私としてみて「すごくよかった」といってくれて。「こんなに自分が男になれると思わなかった、ありがとう」って。
二村:いい彼氏じゃないですか。
舞衣さん:そうなんですよ。終わった後に彼から「僕は舞衣の若い時の姿を重ねて見てるからね」って言われたんです。老けたね、みたいなこと言わないどころか、若くて痩せてた昔の私を今の私に勝手に重ねて補正してくれてる。青春時代のバカやった思い出も話せるから楽しくて、結局それで3年続いています。
二村:ある程度いい年になると、他人から受け入れてもらうことってすごく大事ですよね。
舞衣さん:彼と付き合っている理由は、結局そこですね。変な話ですけど、昔付き合っていた頃より再会してからのほうが、体が合うんです。若い頃に一緒にいたっていう安心感があって、素直になれるっていうのかな。
[2/3ページ]