「桜を見る会」は芸人にとってアカデミー賞、パー子の兄も参加……林家ペー師匠語る

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 首相が主催する「桜を見る会」が、来年度は開催が中止されることになった。税金の無駄遣い、私的流用、公職選挙法違反……散々な言われようだが、突然の決定を残念がる声も。2015年度と今年度、2度に亘って招待された林家ペー師匠に感想を聞いてみた。

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 今年度は、およそ1万8200人が新宿御苑の八重桜を楽しんだが、年々経費は増え続け、予算は毎年一律の1767万円から3700万円ほどオーバーし5519万円もかかったという。それゆえ、来年度は最初から5729万円の予算を盛り込んだら、これがかえってアダとなったようだ。

 野党から、税金の私的流用、公的行事を私物化などとツッコまれ、慌てて来年度の中止を宣言したわけだ。野党からの批判は今後も続くようだが、中止を残念がる声も上がっているという。

 それが芸能界である。ちなみに今年度、どんな顔ぶれが招待されたかと言えば、以下の通り。

 石坂浩二、五木ひろし、由紀さおり、メイプル超合金のカズレーザーと安藤なつ、桂文珍、ももいろクローバーZ、GENERATIONS from EXILE TRIBE、相川七瀬、大村崑、湯原昌幸、あべ静江、田辺靖雄、高木ブー、デーブ・スペクター夫妻、May J、トレンディエンジェルの斎藤司とたかし、加藤一二三、デヴィ夫人、バイきんぐの小峠英二と西村瑞樹、ラモス瑠偉、丸山桂里奈、IKKO、ミッツ・マングローブ、ナジャ・グランディーバ、野々村真、さかなクン、辺見えみり、山田隆夫、林家ペー・パー子夫妻、二代目林家三平親子、綾小路きみまろ、荻野目洋子、梅宮アンナ、神田うの、パックンマックン、高島礼子、市川猿之助、ピコ太郎、千原せいじ、ザ・ぼんちのぼんちおさむと里見まさと、なべおさみ・やかん親子、ケンドーコバヤシ、渡辺裕太、子役の寺田心、同じく鈴木福、谷花音、トリバゴのCMで知られるナタリー・エモンズ……彼らが芸能界で功績・功労があった方々“等”である。

 これだけでも大した数だ。政治部記者が言う。

「長期政権のなせるワザでしょう。短期政権なら、政権が変わるたびに一から人選をやり直せる。しかし、第2次安倍内閣ができたのは12年12月。桜を見る会は13年から7年連続で開催されています。その間、招待する数が増え続けているのは、一度誘ってしまったら、次の年も誘わないわけにはいかないからでしょう。地元の後援者たちだって、『あの人は誘われたのに、私はまだ』なんて声も出て来るでしょうし」

 一方で、安倍首相の芸人好きという声もある。民放関係者はこう言う。

「安倍さんはかなりの学歴コンプレックスがあるようですからね。東大出の官僚は嫌いだけど、低学歴で従順な芸能人は大好きなんて話はよく聞きます。まあ芸能人は、一緒に撮った写真をInstagramなどで公開してくれるから、親しみやすさにも繋がるという計算もあるのでしょう。昨年、招待された、ユッキーナ(木下優樹菜)とフジモン(藤本敏史)の夫婦は、安倍首相から『インスタグラムやられてるんですよね?』と話し掛けられたといいますからね。フォロワーの多い芸能人を呼んで、宣伝効果は狙っているでしょう。ただ、その人選はといえば、今年のメンツを見回しても『何で?』と思う人も結構いる。選考基準なんて、あってないようなもの。結構、いい加減なものでしょう。もっとも招待された芸能人だって、首相と一緒の写真をインスタなどに上げて、自分の好感度アップに利用するわけですから、どっちもどっちですけど」

「ペー、あんた行く?」

 安倍政権でこれまで2015年度と今年度の2回招待されたのが、林家ペー師匠である。一体、どんな感じなのか伺った。

ペー:今回はね、安倍総理に、贈り物を持っていったんですよ。安倍さんもTPP問題とか大変だったじゃないですか。だから「私からもTPPの提案があります」と言ってね、ティッシュを手渡して――。

――ひょっとして、TPP=ティッシュ“ペーパー”とか?

ペー:そうそうそう、どお? つまんない? でもね、これには後日談があってね、桜を見る会が終わってしばらくしたら、安倍さんのお付きの方から連絡があってね、「先日はありがとうございました。あのポケットティッシュは、トランプ大統領にお渡ししました」って言ってたんだけど……ホントかなあ。

――ところで、師匠はこれまで何回、桜を見る会に招待されたんでしょうか。

ペー:2回ですよ。前回も安倍さんで、4年前の2015年。あの時は日本エレキテル連合さんや8.6秒バズーカさんとか、ドーンと売れた人たちも一緒でした。爆笑問題さんもいたね。ももいろクローバーZやデーブ(スペクター)さんは常連で、今年も一緒でした。

――流行りの芸人は外さないようである。では師匠は、安倍首相となにか繋がりが?

ペー:あるわけないじゃない。芸人なんて政治に興味もないし、なんのポリシーもないもの。野球は巨人、政治は自民……くらい言うことはできるけどね。

――では、なぜ師匠にお誘いが? 一応、招待する目的には、各界での功績、功労のあった方々をねぎらうため、ということですが?

ペー:功績なんてあるわけないじゃない。ウチの根岸事務所にね、お誘いが来るわけですよ。それで「ペー、あんた行く?」って訊かれたんで、「もちろん、行きます!」と。なにしろ、アタシはミーハーだから。色んな人に会えて、一緒に写真が撮れるからね。今回は2代目の三平も行きましたし、他のお弟子さんも行ってますよ。もちろん林家だけじゃない。芸人さんの中には、毎年行ってる、なんて人もいますよ。

――参加を伝えると、何か注文があるんですか? 師匠の場合、ピンクで来てくれ、とか。

ペー:それはないね。ま、言われなくてもピンクで行くけどさ。お誘いを受けたからには、私たちなりにカラーを、まあそれがピンクだけど、それを出すのが芸人としての礼儀でしょ。

――4年前と比べて、今年は人が増えた?

ペー:増えたねえ。だってね、パー子のお兄さんまでいたんだから。

――パー子さんのお兄さんも芸人なんですか?

ペー:違うよ、赤羽で小っちゃい会社やってんだけどね。桜を見る会でバッタリ会って、ビックリしちゃった。他にも何人か知り合いがいたんですよ。そういう人たちまで呼ぶんだもの、増えるよねえ。

――来年は中止だそうですが。

ペー:寂しいねえ。ああいった晴れの席はステータスですからね。芸人にとっては、アカデミー賞みたいなもんですよ。もっとも、桜を見る会が来年、開催されるとしたって、お呼びがかかるか分からないからねえ。園遊会は無理なんだからさ……。

 やはり、芸能人にとって、「桜を見る会」に出席することは重要らしい……。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月15日掲載

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