J史上初のレッドカード適用監督・浦和レッズ大槻毅監督、あだ名は「組長」

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 まずは顔写真をとくとご覧あれ。

 ガチガチに固めたオールバックの髪、鋭い眼光……人は彼を“組長”と呼ぶ。

 ただ、彼はヤクザの親分でもなければ、任侠映画の俳優でもない。Jリーグ、それも伝統ある浦和レッズの監督なのである。

 その男、大槻毅(46)は、風貌に似合わず、筑波大学卒の秀才だ。宮城県の高校で教鞭を執りながら、サッカーを続け、やがてベガルタ仙台のヘッドコーチに。2012年から浦和のスタッフとなり、ユース監督などを歴任。データを駆使した分析官として腕を揮った。

 そんな大槻氏が初めてトップチームの監督に就任したのは昨年のこと。開幕5試合で2分3敗と不振を極めたことから監督がクビになり、その後釜として暫定的に監督となったのだ。その間6試合の指揮を執り、4勝2分と善戦。だが、ほどなくオリヴェイラ氏が監督に招聘されると、大槻氏はヘッドコーチに退いた。

 すると、今季もリーグ戦で低迷。5月、オリヴェイラ監督が解雇され、再び大槻氏が登板した。

 スポーツ紙サッカー担当記者によると、

「“組長”という渾名は、もちろんルックスに起因していて、最初はからかい半分でしたが、次第に選手から人望を集めるように。今では“敬愛するボス”という感じで使われています」

 ところが今月1日の鹿島戦で、シャレにならないことが起きた。“組長”が暴力行為を働いたのだ。

「試合中に敵の選手を突き飛ばしたんです。Jリーグでは8月にルールが変わり、監督などにも退場を宣告できるようになった。大槻監督はJ1で不名誉な“レッドカード適用監督第一号”になってしまいました」

 試合後は、“監督業停止1試合”の処分も下された。

 Jリーグも大詰め。浦和はJ2降格の恐れもある。“アウトレイジ最終章”の結末やいかに。

週刊新潮 2019年11月14日号掲載

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