高倉健の思い出が遺産総取りの養女に破壊される…愛車、家、水子地蔵までも!

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ファンの支え

 お参りするところがない――。そんな状況は、健さんの三回忌を機に変わり始めた。福岡県中間市にある小田家の菩提寺「正覚寺」の境内に、敏子さんら血縁者の手で健さんの記念碑が建てられたのだ。記念碑には、健さん直筆による「寒青(かんせい)」の2文字を認めることができる。寒青は漢詩の言葉で、風雪に耐えて青々と立つ「冬の松」の意。健さんは著書『旅の途中で』(新潮社)でも、「とても好きな言葉」と触れている。

 敏子さんによると、

「三回忌を経て、兄といつも一緒にいる感覚を持てるようになりました。“健さんを弔うのにどこに行けばいいのか”というファンの方が多くいらっしゃるでしょう。この場所を知って頂けたらと思っています」

 中には、こんな熱烈なファンもいた。

「東京在住のあるマダムが青森・八甲田山までわざわざ出かけたそうなんです。雪解け水を採取され、それでコーヒーを淹れて記念碑の霊前に手向けられたと。はぁ~そこまでされるのかと感心したものです」

 健さんは無類の珈琲好きとして知られた。また、こんなエピソードも。

「兄は薔薇が好きだったもので、百合に赤い薔薇を少し混ぜてみんなでお墓参りに出掛けました。お墓に赤い薔薇って不釣り合いかしら……みたいな話をしたりして。ひと段落してそこを離れたら、ほんの1時間後にお寺から電話があったんです。“加藤登紀子さんが今しがたいらっしゃいました”と。薔薇はもちろん100万本なかったけれど、こんな偶然もあるのかとビックリしました」(同)

 健さんと加藤は「居酒屋兆治」で共演している。その他の共演者や斯界の重鎮の足も、この正覚寺に向かうようになってきたという。

「小倉にある名画座『小倉昭和館』の女館長も頑張ってらして、今月9日から15日まで、『捨て身のならず者』と『動乱』が上映されます。本当にファンの皆さんに支えられていると感じずにはいられません」

(3)へつづく

週刊新潮 2019年11月14日号掲載

特集「遺産総取りの『養女』は手記出版! 『高倉健』実妹が悲しみ嘆く『非情の相続人』の肉親排除」より

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