1時間お茶するだけで1万円…パパ活で荒稼ぎする30歳美人「茶飯女」の人心掌握術

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パパ活男性に毎日が充実してる人はいない

“パパ活”の流行りで、アプリを通していくらでも新しい“パパ”に会うことが出来るこの状況は、麻衣さんにとって追い風のようだ。しかし、トラブルに巻き込まれたことは一度もないのだろうか。

「一度だけありますよ。お茶をするって約束で、その時は品川のホテルのラウンジを指定されて行ったら、入口で、『俺、俳優志望だったんだけど、女優志望で俺に抱かれたい女ってめちゃくちゃいるわけ。だから、ホテルに行かないなら金は払わない』って。もちろんこの時はお茶もなかったのでお手当もなく、交通費でマイナスで、そのまま帰ってアプリに違反通告しました。違反通告が募ると、強制退会になるので」

 こうして質の良くない男性は振り落とされる仕組みもパパ活サイトにはあるという。もちろん、女性側も同じで、デートのドタキャンや、写真と顔が違うこと、明らかな業者が間に入っている場合や、シャワーを浴びている間にお金を盗られた等が、違反通告されることになる。

「あとは、いきなり売春を吹っかけてくる女性も、嫌がられることが多いですね。パパ活用語で『有害』って呼ばれて晒されていることがよくあるんですが、初めましての言葉もなく、ろくにしゃべりもせずに『私、1回5万円です』みたいな病んでるタイプ。5万で愛人って、安すぎるって思うんですけど。

 ただ、わたしみたいなお茶だけしか付き合わない女性も、ネットの掲示板では『茶飯女』って呼ばれてますね。そういう女性を落とすことを『茶飯返し』って言うんですが、『茶飯返しが一番楽しい』っていう書き込みはすごく多いです。

 けどわたしは、パパとホテルに行くことは絶対にない。だから、あんまり恨みを買わないように、会うのは1回こっきりで、数を稼ぐことにしてるんです。サラリーマンでも高収入の社長でも、パパ活する男性にとっての1万円は、ゲームセンターのワンプレイ感覚と一緒なので」

 パパ活男性にとって1万円は、たとえホテルに誘うことに失敗したとしても、そこまで怒りや落胆を感じることはない金額であり、たとえ買い物で、もういくらかを費やしていたとしても、自己責任の意識の強い男性ならば、「支払うという決断をしたのは、自分だし、そもそも最初からお茶だけだと言っている女性を落とせなかったのは自分の力不足」として諦める……そういうリスクを負ってまでして、パパ活サイトに登録しようというのは、いったいどういう男性なのだろうか。最後に麻衣さんに、パパ活で出会う男性の特徴を聞いてみた。

「既婚の方が多いですね。キャバクラはただの商業施設だから嫌で、不倫に憧れがある人や、承認欲求が強い人が多いと思います。いつも家庭で無下に扱われてて、淡々と平凡な日々を過ごしてて、会社でもあたり障りない存在で、不満を抱えている人。自分が承認される場所が欲しいっていう。

 逆に、家庭で美味しいご飯を食べて、思いやりのある会話をして、規則正しい生活をしてっていう、毎日が充実してる人はパパ活男性にはいないです。足りない部分がないから。男も女も、足りない部分を満たして欲しいから、パパ活に手を出してるんですよ。足りない部分を、人の気持ちとか善意とかお金とかで補おうとしているんだと思います。それが私の分析です」

大泉りか(おおいずみ・りか)
1977年東京生まれ。2004年『FUCK ME TENDER』(講談社刊)を上梓してデビュー。官能小説家、ラノベ作家、漫画原作者として活躍する一方で、スポーツ新聞やウェブサイトなどで、女性向けに性愛と生き方、子育て、男性向けに女心をレクチャーするコラムも多く手掛ける。『もっとモテたいあなたに 女はこんな男に惚れる』(イースト・プレス 文庫ぎんが堂)他著書多数。2017年に第1子を出産。以後育児エッセイも手掛け、2019年には育児に悩む親をテーマとしたトークイベント『親であること、毒になること』を主催。

2019年11月12日掲載

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