1時間お茶するだけで1万円…パパ活で荒稼ぎする30歳美人「茶飯女」の人心掌握術
現代社会を生きる女性が避けては通れない「婚活」「結婚」「妊活」「子育て」。これらのライフイベントに伴う様々な困難にぶつかりつつも、彼女たちは最終的には自分なりに編み出した「ライフハック」で壁を乗り越えていきます。読めば勇気が湧いてくるノンフィクション連載「女のライフハック」、待望の第9回です。
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真面目そうな、普通のサラリーマン風の男性が多い
年上の男性とデートをして、その対価としてお金やプレゼントを貰う“パパ活”は、必ずしも性行為を前提としていないライトさから、気軽に始める若い女性が多いと言われている。しかし、果たして男性側は、何を思って“パパ”になることを希望するのだろうか。もちろん、本当に一緒に食事や会話を楽しむ以上のことを一切求めずに、それで相手の女性に相当の対価を支払う男性も存在するとは思う。
けれど、あわよくば口説き落としてホテルに連れ込みたいという下心を持っていたり、手っ取り早く、金銭の授受と引き換えに性行為へと及びたいと考える男性のほうが実際は多いのではないかと思うし、パパ活する女性たちは、前者のようなおいしい相手に巡りあうことを期待しつつも、実際は手練手管を駆使して、男性の下心をかわしているのではないだろうか……。
そこで今回は、実際にパパ活をしているという阪野麻衣さん(仮名・30歳、独身、キャバクラ勤務)に、そのあたりの実状を尋ねてみることにした。
取材当日、新宿にある老舗の喫茶店に現れた麻衣さんは、秋らしいブラウンのパンツスーツに、レースでデコルテのあたりが透けてみえる黒いノースリーブニット姿で現れた。耳たぶにはシャネルのピアス、バッグはプラダ。ファッションに疎いわたしが見ても、お金のかかっていることはわかる服装をしている。
すらりとした長身で、ヘアスタイルは顔の小ささが引き立つショートカット。本業はキャバクラ嬢ということだが、メイクも服装もシックにまとめているため、ほどよく落ち着いた雰囲気だ。彼女がオーダーしたアイスティーが届いたところで、さっそく本題を切り出した。
「パパ活の相手は、主にアプリで見つけています。パパ活アプリっていうのがあるんですよね。わたしの場合は、paters(ペイターズ)や、paddy67(パディロクナナ)を使うことが多いんですが、実際にやってみるんで、ちょっと見ててもらってもいいですか」
麻衣さんはスマートフォンを取り出すと、パパ活アプリのアイコンをクリックした。するとずらりと男性の顔写真が並んで表示される。年齢層は40代から50代くらいがメインだろうか。一時期前に流行した“ちょい悪オヤジ”のようなタイプは少なく、むしろ真面目そうな、至極普通のサラリーマンといった風貌の男性が多い。そんな彼らに対して、 麻衣さんは片っ端から『いいね』を付けていく。
「私の場合は、お相手は誰でもいいので、ひたすら『いいね』しちゃってますね。それで、向こうからも『いいね』が来たら、メッセージのやり取りができる状態になります。メッセージは、あらかじめ定型文をセットしてあるので、送信ボタンを押すだけです」
スマホの画面を見せてもらうと、可愛らしい絵文字付きの定型文が入力フォームに表示されていた。こうすることで、必要最低限の手間で、相手とのやり取りをスタートさせることが出来るという。
しかし、お相手は誰でもいいといっても、遠方の人とは、なかなか会いにくいのではないだろうか。気になって尋ねると、麻衣さんは首を横に振った。登録している男性たちは、仕事で東京を訪れる機会の多い出張族も多いため、たとえ地方に住んでいる相手であっても、関係ないという。地元を離れたテンションで、財布の紐も緩みがちになるメリットすらあるそうだ。
それよりもむしろ避けるべきはイケメンと、若い男性だという。イケメンの男性は、自分に自信があるために金払いが悪く、若い男性もお金を払わない出会いを求めていることが多い、というのが麻衣さんの主張だ。なるほど、そう言われれば確かにその通りのようにも思えるが、イケメンと若い男性さえ避ければ、いざ会ってから、金銭の授受で揉めることはないのだろうか。
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