韓国で市民団体とマクドナルドが激しく対立 プルコギバーガーが原因なのか

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対決姿勢を見せ始めた韓国マクドナルド

 10月29日にはまた与党議員の意向を受け、ソウル中央地検が再捜査を開始。こうして韓国マクドナルドはいま、市民団体、メディア、与党、そして司法機関から集中砲火を浴びている。

 だがその反論は、耳を傾けるべき点が少なくない。韓国マクドナルドは11月に入り、「一部の人物、団体、メディアが事実と異なる問題を提起している」と反発。「未確認の一方的な主張に強く対応する」「会社と従業員の精神的・物質的被害をこれ以上看過できず、該当事案の捜査を警察に正式依頼する」との意向を示した。

 Aさんの病状については同情を寄せつつ、母親が主張する発症の経緯に疑問を呈している。パティは複数枚を同時に調理するため1人前だけ生焼けになることはあり得ない、食べてから1~2時間で腹痛を訴えたとの主張はHUSの潜伏期間と食い違う、母親は牛肉とモツがパティの原料としているが実際は豚肉、といった調子だ。

 JTBCが報じた店長の証言については、Aさんが食べた店の店長ではなく、虚偽の証言を強要する理由がないとしている。またJTBCが内部告発とする写真は、「演出された可能性がある」と反論。11月4日には、写真を提供した人物について捜査を依頼したことも明らかにした。

 写真のようなハンバーガーが客に提供されていたら、いまの韓国ではあっという間にSNSで炎上してしまうだろう。そんな状態が放置されているかのような報道は、確かに首を傾げたくなる部分もある。問題の写真は、今年1月に韓国マクドナルドなどを告発した市民団体が、証拠資料として提出したものだそうだ。

 前述のクォン・ミヒョク院内報道官は、「(疑いが事実なら)企業の利益のため国民の安全を脅かす違法行為だ」と主張した。大企業に立ち向かう市民という構図は多くの共感を集めているが、事態の真相はまだ明らかになっていない。

高月靖(たかつき・やすし)
ノンフィクションライター。1965年生まれ。兵庫県出身。多摩美術大学グラフィック・デザイン科卒。韓国のメディア事情などを中心に精力的な取材活動を行っている。『キム・イル 大木金太郎伝説』『独島中毒』『徹底比較 日本vs韓国』『南極1号伝説』など著書多数。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年11月12日掲載

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