「梅毒」患者急増中…3年連続5千人超で心配な日本人の下半身事情

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 発症すると全身に赤い発疹が出て、その後には鼻が陥没することもあり、最悪の場合は死に至る恐ろしい病。そんな梅毒が静かに流行し、患者が急激に増加しているという。

 国立感染症研究所は、年初から10月16日までに梅毒患者が5111人に達したと発表した。

 全国紙の厚生労働省担当記者によれば、

「梅毒の発症者は、3年連続で5千人を超えました。が、これは医療機関で診断を受けて認定された数だけですので、実際はもっと多いはずです」

 梅毒の主な感染ルートは性交渉とされ、戦後、国が対策に乗り出したことで、1967年以降は年々減少していた。が、ここ数年で増加に転じたのはなぜか。

 厚生労働省結核感染症課の担当者に聞くと、

「梅毒患者が急増している理由は、明確にはわかっていません。性交渉を行う場合はコンドームを使用しての予防や、全国の自治体で行っている無料検査の受診を呼び掛けています」

 梅毒のみならず、治療法が完全に確立されていないHIVの感染者やエイズ患者も先進国ではわが国だけ数字が高止まりし、毎年1500人ほどの感染者や患者が確認されている状況なのだ。

「無店舗型性風俗が、梅毒急増の温床になっている可能性が高いでしょう」

 こう分析するのは、ソープランドのオーナーだ。

「それまで半ば“闇営業”だった無店舗型性風俗は、98年の風営法改正で公安委員会への届け出制になりました。お上からお墨付きを得たが、ソープランドのように性病検査を定期的に実施していない店がほとんどです。無店舗型性風俗では男性の元へ女性をデリバリーするので、個別交渉をして本番行為に及ぶことが少なくありません。その結果、梅毒キャリアの女性が男性客にうつして発症したり、その恋人や妻に二次感染させる恐れもあります」

 国立感染症研究所のデータを見ると、患者は男性が20代から40代、女性は20代に多く、地域別では東京都と大阪府、愛知県の大都市圏で増加している。また、無店舗型性風俗は大都市に集中し、男性客と店で働く女性の年齢を勘案すると、確かに因果関係はありそうだ。

 また先の記者は、

「SNSや出会い系サイトも、有力な感染ルートの一つでしょう。サイトを通じて出会った男女が、その日に避妊具ナシで肉体関係を持つケースも少なくありませんからね」

 慎重で健康志向が強く、安全への意識が高いといわれる日本人。が、下半身はそれほどでもないようで。

週刊新潮 2019年11月7日号掲載

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