朝ドラ「エール」の脚本家が降板 “エンペラー”と言われた演出家との対立が原因

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 11月5日、来年(2020年)春にスタートする朝ドラ「エール」(NHK総合)の脚本家が交代すると発表された。「医龍―Team Medical Dragon―」(フジテレビ)、「コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―」(同前)などで知られる、ヒットメーカーの林宏司氏が降板するというのだ。すでに撮影は始まっており、異例の途中降板。もっとも、その発表があった日、日本テレビからは林氏の脚本による来年1月からのドラマ『トップナイフ―天才脳外科医の条件―』が発表されて……。

 NHKは降板の理由を、「制作上の都合により」としか発表していないが、健康上の問題ではないことは明らかだ。一体何があったのか――。

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 民放関係者は言う。

「林脚本と言えば、骨太な作風で、かつヒットメーカーとして知られています。かつてはフジの作品が多かった、と言うより、民放ではフジの専属のようなイメージでした。デビューしたのも2000年の『涙をふいて』で、天海祐希(52)の『離婚弁護士』シリーズ(04年~)、坂口憲二(43)の『医龍―Team Medical Dragon―』シリーズ(06年~)、山ピー(山下智久[34])とガッキー(新垣結衣[31])による『コード・ブルー―ドクターヘリ緊急救命―』シリーズ(08年~)、天海が刑事を演じた『BOSS』シリーズ(09年~)などを手がけています」

 2000年から11年まで途切れることなく、フジの脚本を書いてきた。

「ところが、11年に放送された『BOSS 2nd season』を最後に、林さんはフジから離れた。ですから14年の『医龍4』、17年の『コード・ブルー3』も、脚本に関わっていません。16年にフジで放送された『お義父さんと呼ばせて』では脚本を務めましたが、これは関西テレビの制作でした。大人気だった『コード・ブルー』の脚本を降りた時は、かなり揉めたと聞いています。いい意味で職人堅気、悪く言えば頑固。制作の言うことをあまり聞かない脚本家なのでしょうね」(同・関係者)

 その後は、キムタク(木村拓哉[46])の「アイムホーム」(TBS)なども手がけている。もちろん、NHKとも縁がなかったわけではない。真山仁の経済小説を原作に、林氏が脚本を書いた07年の「ハゲタカ」(NHK総合)は、大森南朋(47)を人気俳優に押し上げ、数々の賞を独占し、09年には映画化もされた。18年には、ウクライナ制作のドラマをリメイクした「スニッファー 嗅覚捜査官」(NHK総合)も話題になった。

 そんな林氏が朝ドラの脚本を任されたわけだ。上記の作品からも分かるように、ハードボイルド路線の作風が多い。そのためか、女性を描くことが多い朝ドラでも、「エール」の主演はヒロインの二階堂ふみ(25)ではなく、窪田正孝(31)となっている。

「『エール』の制作発表が行われたのは今年の2月。それ以降、スポーツ紙も報じているように、NHKの演出と揉めていたそうです。NHKも上層部から視聴率を取れと言われて、脚本家にいろいろ注文をつけるんでしょう。人物描写や台詞で林さんと意見が合わず、林さんの脚本を書き換えるまでになっていたとか。今後は新たに、『わたし、定時で帰ります。』(TBS)の清水友佳子と『リカ』(東海テレビ制作・フジテレビ)の嶋田うれ葉、それに演出も加わって3人体制で手がけるそうです。その演出というのがバラエティ班で06年から『サラリーマンNEO』を手がけ、11年に映画化までしたヒットメーカーの吉田照幸氏。その後、ドラマ班に移って朝ドラでは『あまちゃん』(13年)を担当しています」(同・関係者)

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