金融機関がすすめる「退職金プラン」に死角? 「投資はプロまかせ」が危険な理由
退職金の運用をプロにまかせたつもりが、すべて失うことも…。
吉田さん:銀行すら信じてはいけないということになっちゃいますか?
山本先生:こういうことは、銀行や証券会社の人は絶対に教えてくれません。(小声で)しかも、こんな商品が世の中にはたくさんあるんです。周りに流されて資産運用してしまう方が今非常に増えていて、その結果「退職金貧乏」という社会現象が起こってしまうほどです。
吉田さん:騙そうとしているわけじゃないんですよね?
山本先生:そうですね、騙そうとしているのではなくても、その金融商品を売りたいと思っていることは確かです。ノルマもあるかもしれません。そして、投資の結果が思わしくなくても、その商品を薦めた金融機関が責任をとってくれるわけではないんです。
吉田さん:そうか、銀行コンシェルジュは、営業マンなのか…。そりゃそうですよね。
山本先生:そうです。資産運用のプロが言うことだから…と金融機関や誰かに言われるがまま運用してしまうと、一生懸命働いて稼いだ「退職金」を一瞬にしてなくしてしまうということも起こりえます。決して退職金が少ない訳ではなかったのに、これがきっかけで、老後破産なんて目も当てられません。
吉田さん:私の退職金をみんなが狙っている気がしてきました! どうしたら守れるんでしょうか。
山本先生:大切な退職金を守るために、行動ファイナンスのひとつ「両面思考」という考え方が大切です。あるお得な商品やキャンペーンがあったら、営利団体が儲からない商品を売るわけがない、どういう狙いなのだろう?と立ち止まって調べてみましょう。さらに、その陰で損をしている人はいないのか?、自分以外の人も得をするのか?、という違う角度から見てみることです。
吉田さん:相手の立場で想像する、ということですね。覚えておきます。
山本先生:投資が苦手だからプロに任せておけば安心、という考えで退職金を失わないように。自分でも勉強しておきましょう。iDeCo口座で実際に運用してみるのも練習としてはよいかもしれませんよ。
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