札幌移転の「マラソン・競歩」はカジノの犠牲にされた 動く巨大利権

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すでに資本投下

 様々な波紋を呼んだ「マラソン札幌案」。一方、「北海道カジノ」は鈴木知事の「誘致表明」へ向け、一気に動き始めている。IOC調整委員会が始まる2日前の10月28日には、苫小牧市議会が臨時招集され、

「そこで道にIR誘致を求める決議案が審議され、可決された。いよいよ鈴木知事はIR誘致に舵を切るでしょう」(苫小牧市議)

 実はすでに苫小牧には、海外のIR事業者4社が日本法人の事務所を開設。中でも動きが目立つのは、世界で「ハードロックカフェ」を展開するアメリカの娯楽企業「ハードロック・インターナショナル」社だ。

「昨年10月、ハードロック社の日本支社の社長に就いたのは、トランプ大統領とも近いと言われる日系アメリカ人のアド・マチダ氏。彼は札幌で行われたIRの展示会に出席したり、苫小牧での企業の会合に顔を出したり、積極的に動き回っています」

 と、苫小牧市政関係者。

「ハードロック社は苫小牧IRに約5500億円を投じることを表明していますが、資本の投下はもう始まっている。例えば、ハードロック社は昨年、サッカーの『北海道コンサドーレ札幌』とオフィシャルトップパートナー契約を締結しています」

 動いているのは海外の会社だけではない。

「『森トラスト』社の森章会長が出資する『MAプラットフォーム』はIR候補予定地の隣に広大な土地を所有しています。元々そこに約600億円を投資して開発する予定でしたが、10月8日、投資額を最大2500億円まで拡大し、ホテルやコンドミニアムを整備する方針を明らかにしました」(同)

 まさしく巨大利権。東京五輪のマラソン・競歩はその犠牲にされたのだ。

週刊新潮 2019年11月7日号掲載

特集「『小池百合子』vs.『森・バッハ』最終対決 『マラソン・競歩』はカジノの犠牲にされた!」より

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