札幌移転の「マラソン・競歩」はカジノの犠牲にされた 動く巨大利権
経済界も鈴木知事へ圧
ちなみに政府は来年1月7日にカジノ運営を監視する「カジノ管理委員会」を設置し、2020年度内にも最大3カ所のカジノ開設地を決める予定。現在までに横浜市、大阪府・市、和歌山県、長崎県などが誘致に名乗りを上げており、最終的には「首都圏1、関西1、地方1」の3カ所になると見られている。すなわち、鈴木知事が誘致を表明した場合、和歌山や長崎がライバルとなるわけだ。なお、道内の優先候補地は苫小牧市である。
「10月21日には、経済界でも動きがありました」
と、先の道政関係者。
「北海道経済連合会などの道内経済4団体のトップが札幌で記者会見を行い、『北海道でのIR(統合型リゾート)の実現に関する緊急共同宣言』を発表。鈴木知事に対し、早期に誘致に向けて判断するよう求めたのです」
鈴木知事に対する圧力が刻々と高まっていたこの時期、小池知事は極めて厳しい戦いを強いられていた。
「マラソン札幌案」の浮上後も、
「東京で(開催したい)という気持ちは変わらない」
と会見などで主張し、テレビのニュース番組にも急遽生出演。しかし、25日に小池知事と会談したIOCのコーツ調整委員長は、
「東京に戻ることはない」
「決定事項」
と断言。結果、10月30日から11月1日まで東京で行われたIOC調整委員会で正式決定されたのはご存じのとおりだ。
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