ドラえもんを左遷したテレ朝“金曜改革”はどうなった? Mステ消滅の危機

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21時に視聴率が下落

 引っ越しは大変だ――といっても、テレビ朝日の話だ。金曜の午後7時から放送されていた「ドラえもん」と午後7時半からの「クレヨンしんちゃん」を、土曜の夕方に移動した。大きく報道されたので、ご存知の方も多いだろう。

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 空いた金曜は、「ザワつく!金曜日」(19:00)、「マツコ&有吉 かりそめ天国」(20:00)、「ミュージックステーション」(21:00)というラインアップに変更した。

 少子高齢化で視聴率が低迷しているアニメを“左遷”し、若年層が期待できる「ミュージックステーション」を午後8時から午後9時にスライドさせた。テレ朝は貪欲に数字を獲りにいくのだと受け止められた。

 アニメの2番組は10月5日から土曜放送をスタートさせた一方、金曜は細心の注意を払って新編成に移行した。9月から特番で埋め尽くしたが、これは特別編成で過去の視聴習慣を払拭させようとしたのだろう。

 いずれも3時間スペシャル版で、9月20日「アメトーーク!」、27日「徹子の部屋」、10月4日「ザワつく!金曜日」、11日「マツコ&有吉 かりそめ天国」、18日「ミュージックステーション」――という具合だ。

 これだけの手を打ち、いよいよ10月25日の“新編成本番”を迎えたのだ。当然ながら気になるのは視聴率である。ライバル民放キー局の番組制作スタッフが、「ビデオリサーチ調べ、関東地区」の数字を元に分析する。

「まずトップバッターの『ザワつく!』が12・5%を記録し、続く『マツコ&有吉』が10・1%を記録しました。ここまでは大成功だったと思います。ところが『Mステ』が6・7%と大きく数字を落としてしまいました。ある程度は落ちると予測していたんです。21時スタートなので、年少のジャニーズメンバーが出演できません。女性視聴者が離れるのではないかと考えていたのですが、まさかここまで下落するとは思っていませんでした」

 今や誰もが「音楽番組の高視聴率は厳しい」ことを知っている。売れるCDはAKBとジャニーズしかない。少子高齢化で音楽市場は収縮し、老若男女に愛される国民的歌手の誕生は不可能だ。紅白歌合戦を見れば、「今年を代表する曲」が選べなくなっていることは明白だろう。

「音楽番組は、話題性がないと見てもらえない時代になりました。そのため各局とも、夏や冬の音楽祭に注力します。するとレギュラーの音楽番組は、視聴価値が下がってしまうんですね。しかも25日に放送された『Mステ』の出演者は、インパクトに欠ける人たちでした。6・7%という視聴率でも仕方ありませんね」(同・スタッフ)

 音楽情報サイト「rockinon.com」が掲載した「今週10/25の『Mステ』出演者はこちら」によると、関ジャニ∞、THE RAMPAGE、椎名林檎(40)、平井堅(47)、BiSH、WANIMAと記述されている。

「関ジャニ∞は視聴率を持っていましたが、渋谷すばるさん(38)と錦戸亮さん(34)は当然ながら不在です。数字が伸び悩んだ原因でしょう。一方、10月18日の3時間SP版は豪華な出演者で固めました。いきものがかり、King & Prince、乃木坂46、日向坂46、スピッツという具合です。ところが、これだけのメンバーでも視聴率は10・0%にとどまったのです。要するに、視聴者がテレビで聴きたい歌がないんです。もはや歌番組受難の時代どころではなく、いよいよ歌番組がテレビから消滅する時代が来そうです」(同・スタッフ)

週刊新潮WEB取材班

2019年11月1日掲載

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