金を落とさない「韓国人」頼みは危険すぎる(KAZUYA)
全くと言っていいほど改善の糸口がつかめない日韓関係。
ニュースを見ると「9月の韓国人旅行者58%減少 日韓関係悪化の観光影響が鮮明に」(NHK)など、訪日旅行者にも相当な影響が出ていることが窺えます。しかし見出しに惑わされずに本文を読むと、意外と深刻に捉える必要もないのだろうと思います。というのも9月に日本を訪れた外国人旅行者は全体で227万2900人であり、これは前年同月比で5.2%の増加です。
つまり韓国人はめちゃくちゃ減っているのに、全体では増えているという話です。ラグビーW杯の影響もあり、イギリス、ロシア、フランスなどからの訪日旅行者が増える一方で、全体のトップはやはり中国です。その次に台湾、そして韓国と続きます。
韓国人旅行者は、数は多けれど消費が少ないということが指摘されています。
対馬は韓国から近いこともあり、フェリーで多数の韓国人旅行者が押し寄せますが、対馬の人に聞くと数の割に消費は少ないといいます。飲食店で食事をするでもなく、安宿の部屋で辛い即席ラーメンをすする人もいて、地域経済にとってどうなのかと。
それは実際にデータに現れています。観光庁のサイトで昨年の訪日外国人旅行消費額を見ると、韓国は5881億円であり、台湾の5817億円と同水準です。やはり訪日人数が多いので、全体の金額も多いですが、1人あたり旅行支出の平均を国別で見ると、韓国は唯一10万円を切る7万8084円となっています。日本と距離が近く、日帰りも出来るため支出が減っているとの見方もありますが、同様に地理的に近い台湾は平均12万7579円となっており、驚きます。
データが示すのは、韓国人旅行者は他国の人より日本でお金を使わないという事実です。全体の平均は15万3029円(クルーズ客を除く)であり、比べると韓国はほぼ半分です。訪日客数で一番多いのは中国人で、昨年は838万人にもなります(韓国からは約754万人)。
中国人はかつて爆買いともてはやされたように、今でも日本にお金を落としています。1人あたりの旅行支出は22万4870円で、韓国人の約3倍です。
もちろん韓国人旅行者が来てくれるのは、日本の観光業界にとってプラスですから、是非今後もお願いしたいところですが、単価が低いのと政治リスクを常に抱えているという性質上、韓国頼みは危険過ぎます。
先述の対馬は抜本的に戦略を見直す必要があるでしょう。中韓以外のアジア圏や欧米からの旅行者数は伸びているため、政治リスク的にはこちらを重視した方がよさそうです。
日本人の国内観光を活性化させるためにも、いっそ全国一律の税率をやめて、離島や地方の税負担を軽減する形で活性化を図るのも一手でしょう。
来年は東京五輪も開催されますし、多くの外国人旅行者が見込まれます。政府は来年4千万人の訪日外国人旅行者を目指していますが、重要なのは数ではなく、いかに効率的に稼ぐかということを念頭に考えるべきです。
人が多すぎると交通も観光地も混み合って疲れますよ……。