ネットの影響で芸術作品のパクリ問題が深刻化、大学などが取り組む不正防止策は?
元ネタへのリスペクトが大切
パクリ問題はネットの普及により、以前よりもより露見しやすくなってきている。また芸術家は一度「不道徳な人」としてレッテルを貼られると、不特定多数による凄まじいアラ探しの対象となってしまう。
「これは私の憶測ですが、たとえば美人銭湯絵師の勝海さんの場合は“ナメていた”。つまり、パクリ元のイラストレーターさんよりも、自分の方が格上だと思っていたのではないかと思います。二次利用の申請を出しておけば問題にはならなかったでしょうが、それをしなかったことは“ずさん”という他ありません。それを指摘されると黙殺し、さらに批判されることになりました」
とはいえ、芸術及び創作の世界で“パクリ”が必ずしも批判の対象になるということではないらしい。
「漫画やアニメに詳しい人であれば、宮崎駿さんの作品には元ネタがたくさんあることを知っていると思います。例えば、『天空の城ラピュタ』では『バルス!』という呪文が使われますが、これは漫画家の諸星大二郎の『マッドメン』で使われた言葉です。しかし、だからといって宮崎駿が批判されることはほとんどありません。なぜかというと、宮崎駿はパクリを隠しておらず、先行作品をリスペクトしていると公言しているからです。パクリが問題になる人の場合、先行作品に対するリスペクトが欠けているケースが多いと思います」
ツイッターなどのSNSを誰でも使うような今、万人がコンテンツホルダーの立場になっている。情報発信をするという意味では、有名人も一般人も関係なく、ものづくりをする上では先行作品に対するリスペクトが必要となってくるのだ。
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