「令和元年版 怪談牡丹燈籠」は、民放局の嫉妬を一身に背負うNHK渾身の濃密人間ドラマだ!
このドラマをどう説明したらよいか、悩む。私が得意な「単語の羅列で文章力のなさを誤魔化す」方式でいくならば、「奸計(かんけい)・仇討ち・怪奇譚」。「エロスにアクションありのホラーサスペンス」。「音と湿度の映像美で魅せる自然の摂理と人間の業」。あーなんかどれも安っぽくなっちゃう。言葉ではうまく表せないから、とにかく観てくれ、この秀逸な作品を。「令和元年版 怪談牡丹燈籠」である。
初回から息を呑む。腕に覚えのある旗本・高嶋政宏が刀剣商を訪れる。己の不遇に絶望し、酒に酔ってイチャモンをつけてきたのが浪人の神尾佑。...