フードホールが都市部で増加中 背景に“食のパーソナライズ化”と“百貨店の苦境”

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 休日の昼下がり、ショッピングセンターのフードコートで一家団欒。有名チェーンがよりどり見どりで、大人も子供も、食べたいものを食べられる……。こうしたほのぼのした姿とは違う、ちょっとオトナな「フードホール」が、いま増加中だ。

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 1400円のトリュフリゾットを食べながら、800円のグラスのスパークリングワインを楽しむ。もしくは、1480円のフカヒレごはんを珍しい日本酒といただくもよし。先月20日に建て替えリニューアルオープンした大丸心斎橋店(大阪市中央区)では、こんな食事が楽しめるという(いずれも税別価格)。

 百貨店のオープンと共に新設された地下2階の「心斎橋フードホール」に出店しているのは、フランスのトリュフ専門店「ARTISAN DE LA TRUFFE PARIS」や中華食材の「日本橋 古樹軒」、肉料理バル「VOLER」など13店。大阪ではほかにも、ルクア大阪(北区)に「ルクアフードホール」が、阪急三番街(同)に「UMEDA FOOD HALL」が昨年オープンしている。

 東京でも、ぞくぞくと開業している。新宿エリアだけでも、アパレルを中心に飲食事業も営むベイクルーズの「フードホール」が先月オープンし、NY発を謳う「FOOD HALL BLAST! TOKYO」(こちらは大坂にもある)、新宿駅直結の「NEWoMan Food Hall」とあわせて3つのフードホールがある。このほか、JR恵比寿駅近くの「EBISU FOOD HALL」、上野マルイ内の「GOO FOOD HALL」、東京ミッドタウン日比谷内の「HIBIYA FOOD HALL」などなど。銀座のGINZA SIX内の「銀座大食堂-GINZA GRAND Premium Food Hall」は、300坪をほこる規模だ。

 宇都宮や横浜にも開業の動きがあるフードホールだが、もともとは米国で流行っていたという。

「日本でも最近はある種のブームになっています。ただ、フードホールは名乗ったもん勝ちの感もあって、実際には3~4店しか入っていないところもあります。フードコートとの違いを敢えていうと、“そこでしか食べられない店がある”というのが特徴でしょう。たとえば新宿の『FOOD HALL BLAST! TOKYO』には日本初出店となる米国のピザ屋(「PIZZA CUCINOVA」)があったり、他の施設でも、チェーンではない有名料理店が特別に店を出していたりします」(業界紙記者)

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