日清、サントリー、ロート製薬… 企業がCMに「Vtuber」を起用する本当の理由
YouTuberという職業が市民権を得て久しいが、昨今、そのバーチャル版である「バーチャルYouTuber」(以下、Vtuber)が人気だ。Vtuberの勢いは凄まじく、生身の芸能人同様にライブを行ったり、企業のCMキャラクターとして起用されたりすることも。会社独自のVtuberを開発し、広告塔にしている大手企業も現れた。なぜVtuberが企業の広告活動に起用されているのか。「CM総合研究所」広報部部長の武藤麻代氏に聞いた。
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2016年12月に登場した「キズナアイ」を筆頭に、ネット上ではVtuberたちが人気を博している。19年9月の段階で、その総数は日本国内で9千人にのぼり、最近ではYouTubeを飛び出し、企業のCMキャラクターに起用されるまでになってきた。武藤氏は「Vtuberが地上波CMデビューを果たしたのは、今年に入ってからです」と話す。
「“Vtuber”という肩書で、最初に地上波CMに進出したのは、輝夜月(かぐやるな)ですね。これはあくまでも当研究所の観測対象である東京キー5局、在阪の準キー5局、BS5局の範囲内での話ですが、19年3月14日から放送が始まった、日清食品さんの『日清焼そばU.F.O.』(以下、U.F.O.)のCMに出演していました」(武藤氏、以下同)
輝夜月はチャンネル登録者100万人(19年10月28日時点)の人気Vtuberだ。そんな彼女が登場する「U.F.O.」の地上波CMは、強烈なインパクトを与えるものだった。人気ロックバンド・マキシマム ザ ホルモンの楽曲をバックに、目まぐるしく切り替わる映像。それらは、輝夜月が「(ソースが)濃い! うめぇ」と絶叫しながらビームを放ったり、顔だけが輝夜月になった馬が「ソースが旨旨、ホースは馬馬」と叫んだり、衝撃的なシーンの連続であった。
放送されるやいなや「カオスすぎる!」「個性的で面白い…!」、あるいは「まじでうるさい」「恐怖を感じる…」といった賛否様々な意見が、ネット上を中心に飛び交うこととなった。
「あのCMは非常に刺激的でしたが、“人の印象に残る”という点で大成功だったといえるでしょう。どんな手段でも広告を打つにはお金がかかりますが、特にテレビCMは相当な費用が必要です。多くのお金をつぎ込むわけですから、“話題になる”“覚えてもらう”ということが重要です」
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