高岡早紀が土ドラ「リカ」で怪演 自称28歳、“純愛モンスター”が怖ろしい

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高岡は「役をお断りしようと…」

 10月2日の記者発表の中で高岡は「(この役を)お断りしようと思っていたんです」と打ち明けた。

「リカを演じていると私自身が(役に入り込み過ぎて)おかしなことになるかもしれないと考えたんです。でも、全然そんなことなく『私って、意外と大人なんだな』と思っています(笑)」(記者発表での高岡)

 実際、ハマリ役だろう。まず、実年齢が40歳を超えていながら、「28歳」と自称しても一定の説得力がある女優はそういないはず。下手をすると、ギャグになってしまう。しかし、高岡は15歳だった1988年に、靴の「マドラス」のCMでデビューして以来、顔立ちが大きく変化していない。2男1女を育てているシングルマザーだが、いい意味で生活感が全く感じられない。

 ただし、年齢を重ねるに連れて演技力は高まっているようだ。もともと女優としての評価が高い人なのである。1994年、お岩を演じた映画「忠臣蔵外伝 四谷怪談」(深作欣二監督)では映画各賞の主演女優賞を総ナメにしている。

 リカは邪魔な存在が消えた時、うっすらと笑みを浮かべ、静かに喜びを表す。大矢から疎まれると、子供が叱られた時のような悲しい目をする。どちらも並の演技力では出来ないだろう。

 妖艶さも増すばかり。童顔でありながら、色気が強い。通常、この2つは両立しないはずだが、高岡の場合は違う。まだ色気を発揮するシーンはないものの、リカがそれを駆使するシーンがあるなら、強力なものになるに違いない。

 2017年5月、高岡がフジの「ダウンタウンなう」(金曜午後9時55分)にゲスト出演した時のことが思い出される。「本音でハシゴ酒」のコーナーで、ダウンタウンの松本人志(56)は高岡を「エロの塊」と称した。これに高岡は「バカなんじゃないの」と、あきれたが、確かに稀な魅力の持ち主だ。

 視聴率は関東地区の初回が2・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)で2話が3・6%、3話が3・1%。テレビ朝日が「金曜ナイトドラマ」(金曜午後11時15分)枠で9月まで放送していた「セミオトコ」の全話平均が約3・6%だから、それより現段階の平均は少し低い。

 局側としてはもう少しアップさせたいところだろうが、まだ「東海テレビのドラマ枠が土曜日の深夜に移った」という認知度が足りないのではないか。深夜ドラマは若者をターゲットにした作品が圧倒的に多い。高岡が主演のサスペンスドラマを、若者が予備知識なしに目にしたら、面食らってしまう気がする。認知度が高まり、思惑通りに大人の視聴者が増えたら、おのずと視聴率も浮上する気がする。

 ちなみにスポンサーにはP&Gと再春館製薬が入っている。昼ドラ時代と同じだ。スポンサーをつなぎ止めた東海テレビの営業努力はお見事と言えるだろう。

 ドラマは2部構成で、前半は26日放送の第4話で終了。後半からは舞台が病院から離れ、リカのターゲットも妻と別居中の映画プロデューサー・本間隆雄(大谷亮平、39)に変わる。

 リカの暴走はどこまで続くのか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
ライター、エディター。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

週刊新潮WEB取材班編集

2019年10月26日掲載

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