高岡早紀が土ドラ「リカ」で怪演 自称28歳、“純愛モンスター”が怖ろしい
10月5日にスタートした女優・高岡早紀(46)の主演ドラマ「オトナの土ドラ/リカ」(土曜午後11時40分)が話題だ。放送はフジテレビ系だが、制作は長年にわたって昼の帯ドラマをつくっていた東海テレビ。この作品にも昼ドラの魅力が詰め込まれており、そのファンには堪えられないはず。28歳を自称する純愛モンスター役の高岡の「怪演」も見ものだ。
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芸術の秋。時には「伝統芸能」にも触れたい。そんな気分に合うのが、東海テレビが制作している「オトナの土ドラ/リカ」。底流にあるのは歴史ある東海テレビ制作の昼の帯ドラマだ。
1964年5月から約52年間続いた東海テレビの昼ドラは2016年3月末、惜しまれつつ終了した。キー局のフジテレビが制作する情報バラエティー「バイキング」(月~金曜 午前11時55分)の放送枠拡大が一番の理由だった。
他局も昼ドラを撤廃したこともあって、実はフジは1990年代から東海テレビにドラマの放送枠変更を打診していたが、これを東海テレビは頑として受け入れなかった。昼ドラ文化を築き上げてきたというプライドがあったからだろう。実際、名作、話題作を次々と生んだ。その一部は以下の通り。
■「あかんたれ」(1976年、主演・志垣太郎)
■「しのぶ」(1985年、主演・藤吉久美子)
■「華の嵐」(1988年、主演・高木美保)
■「風のロンド」(1995年、主演・森口瑤子)
■「はるちゃん」(1996年、主演・中原果南)
■「真珠夫人」(2002年、主演・横山めぐみ)
■「牡丹と薔薇」(2004年、主演・大河内奈々子)
■「花嫁のれん」(2010年、主演・羽田美智子)
■「赤い糸の女」(2012年、主演・三倉茉奈)
高岡も2003年の「真実一路」に主演している。
昼ドラの終了後の2016年4月から、東海テレビのドラマ枠は現在の「オトナの土ドラ」に変更された。昼から週末の深夜に。「リカ」はその22作目となる。
昼ドラ時代は、「ドロドロ愛憎劇」「苦労物語」「サスペンス」が多いというイメージが強かったが、「オトナの土ドラ」もその臭いが強く残っている。9月まで放送されていた前作「それぞれの断崖」(主演・遠藤憲一)はドロドロ愛憎劇系だった。「リカ」はサスペンス系に属する。まさしく伝統芸だ。
「リカ」の10月20日放送の3話までのストーリーを簡単に振り返る。主人公・雨宮リカ(高岡早紀)が都内の個人病院「花山病院」の看護師採用に応募した。本人が提出した履歴書によると、経歴は申し分ない。だが、副院長・大矢昌史(小池徹平、33)は首を捻る。「あなたみたいな優秀な方が、なぜ、うちに」。この問いにリカは目を輝かせながら「運命なんです」と答える。
リカの言う運命とは、大矢と自分が結ばれることなのだ。そう信じ込んでいる。リカは年齢を「28歳」と説明するが、もちろん自称に過ぎない。経歴も嘘八百。それもこれも大矢と結ばれる運命を実現させるためだった。
もっとも、リカには嘘をついているという自覚がない。大矢と結ばれるために役立つことだけが「真実」であり、逆に大矢との関係を阻害するものが「嘘」なのだ。怖い。
リカは晴れて病院に仮採用される。だが、看護師長の小山内(池谷のぶえ、48)はその言動から怪しさを感じ取り、本採用はしないとリカに告げる。すると、直後に小山内は階段から転落してしまい、意識の回復が絶望的に。リカの仕業である。邪魔者を排除したのだ。
次にリカは大矢との関係を緊密にするため、彼の手術ミスを偽装する。そして「これは私しか知りません」と、ほほえむ。大矢と運命共同体になるつもりだった。それを阻もうとした後任婦長・藤鐘(安藤玉恵、43)を殺す。さらに、大矢の婚約者・真由美(山谷花純、22)の排除も目論んでいるようだ――。
東海テレビがリカに付けた形容詞は「純愛モンスター」。本人は単に純愛を成就させようとしているだけなので、悪気はないのだ。いや、正しくは罪の意識が全くない。だから余計に怖ろしい。
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