神戸教員いじめに沈黙の日教組 「政治的パフォーマンスに使えないいじめ」には興味ナシ
未来ある子どもたちを導き、いじめに立ち向かうべき教師が、後輩に重ねていた凄絶ないじめ。ゆがんだ職場を糺(ただ)し、悪質な教員を教壇から追放するために、だれかが音頭をとるべきだが、それはあなたたちでしょう。沈黙している場合ではないですぞ、日教組!
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神戸市の東須磨小学校で起きていた4人の教員による後輩教員への凄絶ないじめは、いや、いじめというより虐待もしくは暴虐とでも呼ぶべき行為だが、こんなことが自分の職場で起きていたら、だれもが身のすくむ思いだろう。
いまこそは、全国の組織率が22・6%まで下がったとはいえ、依然として日本最大の教職員団体である日本教職員組合(日教組)の出番である。事実、日教組には最優先課題として、職場環境改善に取り組んできた実績があるのだ。
最近では、働き方改革にも熱心で、文部科学省担当記者がいうには、
「9月にも、働き方改革がテーマの日教組の討論集会が都内で開かれ、家庭訪問を廃止し、職員会議や授業参観の回数を減らしているといった事例が、誇らしげに報告されていました」
そう聞くと疑問も生じる。家庭との接点も、職員同士の議論の場も減らし、教員を実社会から切り離す試みとしか思えないが、『日教組』の著書がある教育評論家の森口朗氏は、
「日教組は教師の仕事を増やさないためには、手段を選ばない組織です」
と言って、続ける。
「2013年に成立したいじめ防止対策推進法に対しては、“いじめた子どもへの罰則は子どもの心をさらに歪める”と消極的でした。またこの法律に、いじめに対処できなかった教師への罰則規定を盛り込むことにも大反対し、結果、いまも罰則はありません」
いじめに向き合えば教員の仕事が増えるが、罰則がなければ安心して放置できるというわけか。日教組の働き方改革は、無責任の助長とイコールのようである。そのこともまた、今回の虐待を生んだ素地になってはいなかっただろうか。
ちなみに、兵庫県の日教組組織率は4割前後と全国平均よりかなり高く、兵庫県教組の下部組織である神戸市教組は、〈職場での悩みを分かち合い、つながりあえる場として〉といったスローガンを掲げている。
その「つながりあ」いに関し、神戸市議会でいじめ問題を話し合う委員会の岡田ゆうじ市議が言う。
「問題の原因の一つとされる、校長がお気に入りの教員を招き入れる神戸方式は、私が今回、テレビ等で問題視したこともあり、21年春の廃止が決まりました。それが最悪の労働環境につながっていたというのに、日教組は“現場の力が弱くなるから”と、神戸方式の廃止に反対していました」
校長とお気に入り教師が安易に「つながりあ」って起きた悲劇ともいえる。虐待が発覚した経緯について、
「10月1日、神戸市教育委員会から我々に、4人の加害者の名前とともに報告がありました」
と、岡田市議が続ける。
「加害者のリーダー格、40代の女性教諭は藤原高広前々校長のお気に入りで、17年に神戸方式で東須磨小に赴任し、力をもっていたと聞きます。当初、仁王美貴現校長は市教委に“トラブル”としか報告していませんでしたが、9月末に被害者の弁護士が“4名の教員から被害を受け自宅療養を余儀なくされている。法的措置も辞さない”という内容を通告。10月1日から4人を自宅謹慎させることが決まり、市教委として正式に発表する準備をしていた最中に、神戸新聞に載ってしまったのです」
4人の所業はいまさら挙げるまでもあるまい。被害者は20代の4人。いま自宅療養中の男性教員が羽交い絞めにされ、女性教員から激辛カレーを口に入れられる映像や、そのカレーを目にも塗られた画像は、すでにお馴染みだ。被害者が苦しむ様子に声を上げて笑う加害者たちの様子に、背筋を寒くした人も多いのではないだろうか。
しかも、長期にわたる虐待に耐えかねたこの教員が、7月に教頭に相談後、校長が4人に注意したが、その際、「反省」を口にした3人のうち2人はその後、「なんで自分が指導されなあかんねん」などと、被害者にさらなる恫喝を重ねたのだから、たちが悪すぎる。
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