マイホーム購入直後に地方転勤でもそこそこ幸せ? 就職氷河期世代エリートサラリーマンの鈍感力
マルチ系の人は頼んでもいないのに合コンを斡旋してくる
以前、同じくサラリーマンの寺山さんにお金に関して話を聞いた際、お小遣いが月3万円で驚愕したのだが、永田さんは月4万円だそうだ。しかし、様々な手当てがついており、実質8万円ほど使えるという。一体何に使っているのだろうか。
「勉強自体が好きなので、結婚前や子どもが生まれる前はよく、自己啓発セミナーやビジネススクールに通っていました。受講料は数カ月で10万円とか。そのような場に出向いてアップデートして自分が変われる体験が新鮮で。
でも、マルチに引っかかることもありました……。そんなことを繰り返していたら、マルチなのかどうか見抜く力はつきました(笑)。マルチ系の人は、頼んでもいないのに合コンを斡旋してくるとか、何かを僕に提供してマルチに引き込もうとしてきます」
ここまでガチガチの自己啓発系のセミナーに通った経験のある人に初めて出会った。確かに私も勉強自体は好きなので、大学の教授や専門家の話を聞くのが好きだ。だから、ライターの仕事として専門家を取材する際は楽しんでいる。
ただ、自分を高めるため、より仕事のできるサラリーマンになるためのセミナーというものには興味を持ったことがなかった。もしかすると、世の中にはこのようなセミナーに通ったり、自己啓発本を読み漁っている人は案外多いのかもしれない。
そんな永田さんだが、歳を重ねるにつれ「投資のわりにリターンはあるのか」という疑問が生まれ、現在はセミナーなどには通わず、趣味であるカフェ巡りをしたり、好きな音楽のライブに足を運んだりしている。タバコも吸わない、ギャンブルもしない、お酒も強くないのでそんなに飲まない。
「結婚してから確実に物欲がなくなっているんです。まぁ、家計を妻が握っていることもあるのですが、独身時代は少し良い時計やカバンを買ったり、長期休暇には海外に行ってそこで何十万も使うということはありました。でも今は何かモノを買っても幸せを感じられなくて。
最近はファミリーキャンプのためのアウトドア用品を買うことが多いです。目標はファミリーではなく、今流行中のソロキャンプをすることです。妻に『このアウトドア用品買っていい?』と聞くと『そんな高いブランドのいらなくない? 安いのでいいじゃん』と言われてしまい、どうしても欲しかったブランド物の用品を自腹で買いました」
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