ついに逮捕されたチョ・グク前法相「夫人」、カギを握る資産管理担当の怪しい証券マン

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 10月24日、文在寅大統領の側近、チョ・グク前法相の妻のチョン・ギョンシム東洋(トンヤン)大教授(57)が逮捕された。彼女はすでに私文書偽造の容疑で在宅起訴されているが、今回の逮捕状の容疑は、家族ファンドの運用を巡る業務上横領や証拠隠滅教唆容疑など、実に11件にも及んでいる。一体、どんな人物なのか。

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 まずは、すでに起訴されている私文書偽造について説明すると――。

 2012年9月、娘が釜山大医学専門大学院の入学で有利になるように、チョン夫人は自身が籍を置く東洋大の総長から贈られたという表彰状を勝手に作成したとされる(私文書偽造)。疑惑発覚後、東洋大の総長は表彰した事実はないとし、検察による強制捜査後、チョ氏やチェン夫人から電話でウソの証言をするよう求められたと語った。

 今回の容疑は――、

 15年、チョン夫人は、チョ氏の親類の男性が実質的な所有者とされる私募ファンド運営会社の株式を借名で保有し、未公開情報を利用して新興企業に投資した疑いが持たれている。検察は、チョ氏の親類を投資先企業から横領した疑いで逮捕しているが、横領した金がチョン夫人に流れた疑いがあるという。

 彼女は、検察が家宅捜査を行う2日前の9月1日、東洋大の自分の研究室に彼女の資産管理担当者と一緒に出向き、デスクトップパソコンや大量の資料を搬出した。同時に、自宅のパソコンのハードディスクも交換しており、検察は証拠隠滅をはかった行為が裏付けられたと見ている。

 11件もの逮捕容疑の中には、偽造した東洋大総長の表彰状を複数の大学入試に使用した私文書偽造行使や大学の入試選考を妨げた公務執行妨害と業務妨害の容疑も新たに加えられている。

 逮捕状が請求されたこと受け、チョン夫人は脳腫瘍や脳梗塞を患っていると訴えていた。つまり、身柄拘束には耐えられないというわけだが、

「検察は、それが仮病であるという証拠を掴んでいました」

 と解説するのは、ライターの崔碩栄氏。

「チョン夫人は、かなり裕福な家庭で育ったようで、ソウル大学英語英文学科を卒業後、イギリスのヨーク大学で修士号を、スコットランドのアバディーン大学で博士号を取得しています。専攻は英文学で、東洋大では英語を教えている。彼女はかなりの教育ママで、投資にも詳しい。逮捕状が請求された時は、家族のために頑張ってやってきただけなのに、私だけ逮捕されるのはおかしいと、検察の捜査には怒り心頭です」

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