「多摩川堤防」めぐり嫌がらせ電話が止まず… 台風19号がもたらした住民分断
日本列島に深い爪痕を残した台風19号。過ぎ去ったあとも、思わぬ“二次被害”を残していた。
***
一日中、嫌がらせ電話の音が止まない――疲労の色を滲ませてこう語るのは「二子玉川の環境と安全を考える会」(二子玉川会)の代表だった男性の夫人である。
「ひどい時には1時間に4件くらい掛かってくる。『お前らのせいで家じゅうが水浸しだ。どう責任を取ってくれるんだ!』と怒鳴られたこともあります」
背景にあるのは、二子玉川会が9年前に東京地裁に申し立てた、多摩川堤防建設工事の差し止めだ。...