「同期のサクラ」はリアル過ぎる設定に難アリ 遊川作品「ハケン占い師アタル」との差

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同期のサクラの楽しみ方

 設定がリアル過ぎて笑えないという声もあるという。

「第2話では営業部における超過勤務、パワハラなどが描かれるのですが、これがかなりリアルです。営業部長を演じる丸山智己(44)のパワハラ演技も見事です。それだけに会社から帰宅し、せっかく仕事の疲れから解放されて寛いでいる視聴者にとってはキツい。同じようなデジャヴ、既視感のあるドラマは、『ハケン占い師アタル』(テレ朝)でしょうね。派遣社員を演じた杉咲花(22)が、超能力で会社の難事を解決していくものでしたが、顔面アップで作る表情もよく似ています。しかも、最後に空気を読まずに『写真を撮りましょう』というあたりまで。この作品の脚本は、今回と同じ遊川和彦さんです。ただ、『サクラ』の場合、『アタル』のようにファンタジーや爽快感もないので、余計にすっきりしない。やはりドラマというものは、ファンタジーであったり、恋愛ものであったり、爆発的な爽快感、謎解き、ホラー感など、そのうちひとつはないと……つらい日常から解放されたい人が見るものですからね。このままでは『サクラ』の数字は伸び悩むかもしれません」

 遊川氏は、賛否両論のあった「女王の教室」(05年・日本テレビ)、40%を取った「家政婦のミタ」(11年・日本テレビ)など、ヒットメーカーである。それだけに『サクラ』は期待されていた作品だという。今後、テコ入れは可能なのか。

「遊川さんは、1年1話の構想があるそうですから、中々口出しもできないと思います。強いて言うなら、2話ではあまり出番のなかった、実力派の橋本愛の露出を増やすことでしょうか。もっとも、彼女も第1話でサクラにブチ切れる演技をしており、けっこう気の強い役どころ。単に彼女の出番を増やすだけでは、視聴者はますますツラくなるかも」

 ならば、別の楽しみ方はないのだろうか。

「『カホコ』には竹内涼真がいて、彼との恋バナも話題となりました。サクラの同期には、売り出し中の新田真剣祐もいますが、彼が主役となる回で、そうした恋バナ的なストーリーが出てくるのか。また、同期たちが入り浸る食堂『リクエスト』の老ママを演じている柳谷ユカさん(67)は脚本の遊川さんの実姉です。遊川作品の常連でもあり、『男はつらいよ』シリーズの常連だった谷よしのさんのように、どこに出てくるか探すのも面白いかもしれません。同じく『男はつらいよ』のオープニングの常連(江戸川岸のサイクリングの男など)だった、津嘉山正種さん(75)がサクラの祖父役で出演しています。津嘉山さんといえば、ケビン・コスナーやロバート・デ・ニーロなどの吹き替えでも有名です。声優としての声と俳優としての声を聞き比べてみるのも面白いかもしれません」

週刊新潮WEB取材班

2019年10月23日掲載

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