「同期のサクラ」はリアル過ぎる設定に難アリ 遊川作品「ハケン占い師アタル」との差
高畑充希(27)主演「同期のサクラ」(日本テレビ)の初回視聴率は8・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)だった。10月16日放送の第2話は9・5%で、2桁の大台も見えてきた。
とはいえ、高畑主演で、同じ“水曜ドラマ”枠で17年に放送された「過保護のカホコ」が初回から2桁をキープ(1桁は第9話のみ)したのと比べるとやや物足りない。同じ脚本家とスタッフが起用されたというが、違いはどこにあるのだろうか。
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「同期のサクラ」は、初回冒頭で主人公のサクラ(高畑)が自宅でいきなりぶっ倒れる。同期入社の仲間4人が病院に駆けつけるが、彼女は重い脳挫傷で意識が戻らない。これが2019年4月1日のことで、病室で同期たちはこの10年間を振り返るというわけだ。他局プロデューサーはこう評する。
「初回では、2009年4月の入社時を描きます。第2話では入社2年目でした。このドラマは1話で1年ずつを描くという触れ込みなので、今後もそういう展開になるのでしょう。最終回では、主人公がなぜ倒れ、それ以降の病状などが描かれると思いますが、それまではすべて、共演者たちによる思い出話ということになります。それもあって、なんだか全体のイメージが暗いんですよ」
サクラは、実家のある島と本土を繋ぐ橋を作るという夢のために大手ゼネコンに入社したが、マイペースで何ごとにも忖度せず、入社式では社長の挨拶にダメ出し。新人研修で一緒になった4人も、土日返上で彼女の夢につき合わされて、仲違い――。
「高畑演じるサクラは、対人関係は丁寧ですが、口調は事務的。基本的に無表情で、眼鏡の奥に光る目も笑っていない。『義母と娘のブルース』(TBS)で綾瀬はるか(34)が演じた義母のキャラクターを想像してもらえば分かり易いでしょう。そういうキャラですから、一般人から見て奇妙な行動に見え、コメディエンヌ的な演技もあるわけです。しかし、本人が冒頭で意識不明の状態になるということもあり、笑うに笑えない。『ぎぼむす』も過去を振り返るドラマでしたが未来を感じさせる明るさがあった。『サクラ』は視聴者に、希望を感じさせないことも難点でしょうね」
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