企業がサッカーよりラグビー出身者を欲しがる理由 川淵三郎氏も称賛のワンチーム思想

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品位、情熱、規律…

 川淵氏ならずとも、日本代表が掲げる「ワンチーム」という思想に共鳴した企業人は少なくなかろう。

「ラグビーはチームスポーツの最たるもので、企業文化との親和性が高い。次々と局面が変わっていく中で、15人全員がその都度、連携しなくてはならない。サッカーはチームスポーツでも、個の力で打開していく部分が大きい。企業がサッカーよりラグビー出身者を求める傾向があるとすれば、そういった理由からでしょう」

 と、経営戦略コンサルタントの鈴木貴博氏は指摘する。ラグビーとサッカーを隔てる根本的な点として、ラグビーは大学が主戦場のスポーツであること、セカンドキャリアが保証されたうえで社会人(トップ)リーグでプレーできること、というものがあるにせよ、なのだろう。それはともかく、鈴木氏は「もう一つの理由」をこんな風に続ける。

「ラグビー憲章では、『品位、情熱、結束、規律、尊重』という五つの精神が最も重視されています。高いレベルのチームでプレーしてきた選手は、これらの精神を体現してきた存在と見做されるわけです。もちろん、同じラグビー部出身の先輩後輩の繋がりの中で、一流企業に就職が決まっていく流れがある。ただ、それも“ラガーマンは五つの精神を体現し、企業でビジネスをする基礎を疑似体験してきた”というストーリーがあるからです」

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

特集「『ラグビー日本代表』に勝ち飯を捧げる『妻たちのW杯』」より

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