企業がサッカーよりラグビー出身者を欲しがる理由 川淵三郎氏も称賛のワンチーム思想
“サッカーより先にベスト8に”
Jリーグの元チェアマンである川淵三郎氏は、ラグビー日本代表監督(89~91年)を務めた故・宿澤広朗氏との対談を懐かしむ。02年1月から2月にかけてのことだ。
「宿澤さんが亡くなる少し前のことだったかな。私に“W杯でサッカーより先にベスト8にいきます”って言いました。宿澤さんが監督を務めていた時に日本はスコットランドに勝ったことがあったから、“まあ、そういうことも将来はあるかな。でも、そう簡単にはいかないだろうな”と思ったものです」
17年余の時を超え、“予言”が現実のものとなったことになる。
「ラグビーは代表チームが合宿する期間が長いですよね。今のチームは今年だけでも240日間にも亘って合宿したっていうじゃないですか。男同士でそんなに長く一緒にいたら、倦怠期じゃないけど、もう嫌気が差すよ。でも、そんなことを乗り越え、長い時間をかけて、チームを作ってきた。外国人は合宿って好きじゃないと思うけれど、“我慢できる人物を選んだ”って、日本代表前監督のエディー・ジョーンズは言っていました」(同)
それが、日本代表のキャプテンを14年4月から務めるリーチマイケルその人だ。
彼は君が代の練習を他の外国出身選手に課し、「さざれ石」を現地で見学し、日本の歴史指南を自ら買って出た。ペリーが黒船に乗って来航したのは……というような講義も彼らに行ってきたのだ。
「まさに現監督のジェイミー・ジョセフが標榜する“ワンチーム”になっている。大したもんだと思うよ」(同)
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