東須磨小「教員いじめ事件」 謝罪の専門家が分析する“主犯格・女教師の謝罪文”

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 羽交い絞めにされた男性教員(25)の口に女性教員が激辛カレーを流し込む動画に、世間は呆れるやら、驚くやら……。神戸市の東須磨小学校で起こった4人の教員による後輩教員のいじめは、全容解明にはまだまだ時間がかかりそうだ。10月16日には、加害教員4人の謝罪文が公開された。しかし、主犯格とされる40代の女性教員は「彼が苦しんでいる姿を見ることは、かわいがってきただけに本当につらいです」なんて言い出す始末である。まさに、「火に油を注ぐ」とは、このことである。

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 まずは、教員いじめの実態について、改めて説明しておこう。10月11日付の神戸新聞NEXTの主要部分を引用すると、

【神戸市教委などがこれまでに発表した被害】
羽交い絞めにされ、激辛カレーを無理やり食べさせられたり、体に塗られたりした
車の上に乗られたり、車内に液体をわざとこぼされたりした
目や唇に激辛ラーメンの汁を塗りたくられる
無料通信アプリで第三者に性的なメッセージを送るよう強要される
背中を肘でぐりぐりと押しつけられたり、足を踏みつけられたりする
自宅までの送迎を何度も強要される
「反抗しまくって学級をつぶしたれ」など、子どもの前で被害教員の悪口を言われる

【新たに明らかになった被害の訴え】
熱湯の入ったやかんを顔につけられる
少なくとも数十回、かばんに氷を入れられ、かばんや内容物をびしゃびしゃにされる
出張に行く前に「甘いもん買ってくるのが礼儀やろ」と言われ、買って帰ると「こんなんで好かれようとするな」と目の前で捨てられた
ビール瓶を口につっこまれて飲まされ、飲み終えたビール瓶で頭をたたかれた
飲み会の場で、ドレッシングや焼き肉のたれ、キムチ鍋のもとなどを大量に飲まされる
「太れ」と言って、大量のお菓子を口に詰め込まれた
「こっちの方がかっこええ」と、髪の毛や衣服をボンド、洗濯のりまみれにされる
「犬」と呼ばれる
仕事上の質問をしたときに、「誰に許可得てしゃべっとん。くずがしゃべんな」と言われる

教師がこんな程度の低いことをやって喜んでいたなんて、呆れるほかない。被害にあった男性教員は、今年4月頃から吐き気や睡眠障害、動悸などの症状が強く出るようになったという。加害行為の一部を把握した校長が7月に、4人の加害教員を指導したが、その後も男性教員は、加害教員から「くそやな」「ママによしよししてもらえ」と暴言を吐かれたという。そのため彼は精神状態が悪化し、9月から療養しているそうだ。

 男性教員は10月11日、地元の兵庫県警須磨署に被害届を提出。それを受ける形で16日、東須磨小で開かれた保護者会で、加害教員4人の謝罪文が読み上げられたのである。

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