即位の礼 真っ先に出席を表明した「チャールズ皇太子」と両陛下の特別な関係

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22日に行われる「即位礼正殿の儀」。平成に比べ「格落ち」の感があるのは、今回、来日するお歴々である。

 各国の動きは慌ただしかった。当初、アメリカはペンス副大統領が出席する方向で調整していたのだが、取りやめになっている。

 政治部デスクによれば、

「トランプ大統領の“ウクライナ”疑惑への対応を迫られたためペンス副大統領ではなく、台湾生まれの女性政治家、イレーン・チャオ運輸長官が参列することに。夫が上院議員で議会の要職に就いている、と外務省は言い繕うのですが、知名度の低さは否めません」

 加えて、ロシアも政権ナンバー3のマトビエンコ上院議長の調整がつかず、副議長の派遣と相成った。

「トルコのエルドアン大統領、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問は来日しますけれども、前回の平成の即位の礼の時は、アメリカは副大統領、ソ連は最高会議議長が参列しました」(同)

 寂しい顔ぶれの今回、ただ、真っ先に出席を表明したのは、イギリスのチャールズ皇太子だった。

 宮内庁記者が言う。

「他国に先んじて8月に英王室はチャールズ皇太子が出席すると発表しました。前回の平成の時もダイアナ元妃と共に参加。2008年以来、11年ぶりに日本の地を踏むことになります」

 皇室と英王室の絆は古く、明治維新の頃まで遡る。1869年(明治2年)、ビクトリア女王の次男であるアルフレッド王子が来日し、明治天皇に謁見した。

 皇室ジャーナリストの渡辺みどり氏が解説する。

「日本が近代化する過程では、何事もイギリスを手本とする時代がありました。皇室も同様で、1921年には当時皇太子だった昭和天皇が20歳でイギリスを訪れ、ジョージ5世とお会いになっています。上皇さまは19歳でエリザベス女王の戴冠式にご出席。上皇后さまとご結婚されるまでは、『ジョージ5世伝』を英語のリーディングの教科書として用いられていたほどでした」

 さらに、天皇皇后両陛下もイギリスとは縁が深い。陛下は83年から、雅子皇后は外務省時代の88年から同じオックスフォード大学に留学されているからだ。

「陛下は留学中に、自由な生活を楽しまれる一方で、チャールズ皇太子とダイアナ元妃に度々会われていました。皇太子は兄のような気持ちで陛下のことを気にされていたようです」(同)

 こうした特別な関係は雅子皇后も共有されている。

 先の記者が再び、

「11年前のチャールズ皇太子の来日時、当時皇太子妃だった皇后さまは病気療養中にもかかわらず、東宮仮御所の玄関までお出迎えされ、話題になりました。両陛下は今後、エリザベス女王との交流を望まれています。今回の皇太子来日に際しても、連綿と続く英王室との関係を一層深めたいという、一方ならぬ思いをお持ちなのです」

 お気持ちに応えたチャールズ皇太子。その行動が図らずも来賓の“華”という点で両陛下をお救いした格好となったのだ。

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

特集「『即位の礼』式次第には書かれない『七つの謎』」より

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