即位の礼 警視庁の「テロ対策リスト」にある“芸能人”の名

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 警視庁の17階に位置する「総合指揮所」。今回、「即位礼正殿の儀」のために20年ぶりに立ち上げられる最高警備本部を始め、「特別」「総合」といった名のつく大規模な警備作戦が始まると、通常は施錠されているここに拠点が置かれることになっている。

「総合指揮所は上階まで吹き抜けになっていて、我々はガラス越しに、眼下で展開されるオペレーションの様子を窺うことができます。壁に設置されたモニターテレビを捜査員が注視し、その画面は拡大、分割など自在に操作されるのです」(警視庁担当記者)

 画面には、米国大使館や首相官邸など都心の重要ポイントの様子が映し出され、また事前にリストアップされた“監視対象者”の動きも追跡されているといい、

「モニターを見ながら、対象者に割り振られた“符牒”を用いて現場と連絡を取り合います。警戒エリアから離れている時は緩やかな行動確認ですが、ひとたび対象者が一定のエリアへ進入すると、警備態勢は直ちにマンツーマンへと切り替わり、担当捜査員が貼り付くことになります」(同)

 こうした要注意リストにはかつて、平成の祝賀パレードで車列に爆竹を投げて逮捕された舞踊家の花柳幻舟さん(今年2月に死去)も含まれていたという。

 警視庁関係者が明かす。

「今回の式典を迎えるにあたり、公安部では各課が注意人物を持ち寄ってリストを更新しました。そこには中核派や革労協など極左過激派とともに『反天皇制運動連絡会』(反天連)の主要メンバーも含まれています」

 これと呼応するように警視庁はさる2日、過去に中核派が使用したものと同型の飛翔弾が見つかったことから、同派の拠点「前進社」を家宅捜索。また8日には革労協反主流派の幹部を有印私文書偽造容疑等で逮捕するなど、式典に向けて警戒を強めているところだが、件の“リスト”には何と、芸能人まで登場するというのだ。それは、

「2003年6月に皇居・坂下門にタクシーで乗り付け『紀宮さまは私の妹です。早く通して下さい』と進入を試み、皇宮警察に阻止される騒動を起こしていた藤谷美和子です」(同)

 その後、芸能界から遠ざかった彼女は、12年に小田原市内で徘徊する姿が報じられていた。が、この平成版“坂下門外の変”が尾を引き、今なお警戒対象であるというのだ。

 05年末に藤谷と入籍した演出家の岡村俊一氏に聞くと、

「本人は、小田原で同居していた母親を数年前に亡くしたのちに転居し、いまは関東地方から出て一人暮らしをしています。今回、パレードに合わせて上京するなどあり得ないことで、全く心配はありません」

 当時、その“動機”として、藤谷が周囲から紀子妃や紀宮さまに似ていると言われていたからでは、などと報じられたのだが、

「そんな親近感が心の琴線に触れてしまったのかもしれませんね。本人はもう引退した状態で、私も夫というより『代理人』として彼女への連絡を請け負っているのです」(同)

 そう漏らすのだった。

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

特集「『即位の礼』式次第には書かれない『七つの謎』」より

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