大学・社会人ドラフト1位候補は明大「森下」だけじゃない 隠れた逸材はこの8人

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2人目は”大魔神”の後輩

 大学投手期待の2人めは“大魔神”佐々木主浩(元・横浜など)を筆頭にこれまで数多くのプロ野球選手を送り出したみちのくの名門・東北福祉大が誇るMAX149キロ右腕・津森宥紀である。

 高校は全国に名を馳せる強豪・智弁和歌山が天下を治める和歌山県にあって、無名の県立校・和歌山東出身。中学まではスリークォーターだったが、同校でサイドハンドに転向し、その素質が開花した。

 2014年の2年生時秋の県大会新人戦準決勝で猛打の智弁和歌山打線相手に9回2失点の完投勝利を収めたのだ。高校3年間で甲子園出場経験はないものの、進学した東北福祉大では1年春から仙台六大学野球リーグ戦に出場。以後、大学4年秋までの全8シーズンで先発に救援にと計49試合に登板し、130回を投げ、被安打わずかに67、154奪三振、与四死球56、自責点18で12勝4敗。防御率も1・25を記録した。

 その中でも3年秋には25回1/3で被安打15、奪三振29、自責点わずか2。防御率はなんと驚異の0・71をマークし、最優秀投手を獲得している。

 全国大会にも現在までに4度出場。計10試合で28回2/3を投げ、被安打16、奪三振26、与四死球15、自責点4で防御率は1・26とここでも高い安定感を誇る。

 特に3年時の全日本大学野球選手権大会では4試合に登板し、18回2/3を投げ、被安打6、15奪三振、失点1、自責点0という見事な力投で最優秀投手賞に輝くとともに、チームに14年ぶり3度目の日本一をもたらす原動力となったほど。

 身長は177センチとあまり高くはないが、右サイドハンドから投じられる速球は最速149キロ。常時でも130キロ台後半から140キロ超と威力があり、ときに浮かび上がってシュートすることも。加えて130キロ前後のシンカーと120キロ台のスライダーで相手打者を幻惑する。サイドからの直球の伸び、変化球のキレをプロのスカウトも絶賛しており、あとは左打者対策さえ整えられれば、サイドハンドはプロの世界では重宝されるだけに期待大。短いイニングならプロでも即戦力となろう。

 ここからは社会人投手を紹介したい。その最初は中日ドラゴンズが1位指名候補にリストアップした4人の中の1人。最速151キロの即戦力左腕・JFE西日本の河野竜生だ。

 河野は徳島の名門・鳴門卒の高卒3年目。甲子園には1年生時から3年連続夏の甲子園出場を果たしているだけに、高校野球ファンの間ではお馴染みの投手でもある。社会人に進み1年目から公式戦にベンチ入り。2年目には早くもエースの座を掴み、秋の社会人野球日本選手権では決勝戦までの全5試合中3試合に先発し、初戦&準々決勝と2戦連続完封勝利。決勝戦の三菱重工名古屋との一戦では9回を投げ,1失点の好投をみせたがチームは延長13回の激闘のすえ、1-2で準Vに終わった。

 ただ、この大会での力投が評価され(27回を投げ、被安打15、23奪三振、与四死球2、失点1、自責点1)、敢闘賞のタイトルを受賞。と,同時に一躍プロのスカウトの評価が急騰した。

 その最大の武器は174センチと決して大柄ではない身体から繰り出される最速151キロの速球で、特に右打者の内角をえぐる直球は威力満点。常時でも140キロ前後を記録し、これに130キロ超のチェンジアップとツーシーム、120キロ前後のスライダー、100キロ前後のスローカーブを交えて打者を打ち取っていく。スリークォーターから投げ込んでいく投球フォームも球の出所が見づらく、打者にとっては厄介な相手ともいえよう。調子が悪いなりに試合を作れる点も高く評価されており、プロ側は即戦力の期待をかけている。 

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