声優のアイドル化で“養成学校”も劇的変化 裏方コースも人気の最新事情

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学校側は裏方職の需要もこぼさない

 また落合氏は、最近の声優学校の傾向として、コースや学科にも変化があると語る。

「声優を支える職、つまり裏方業やスタッフ業の勉強ができるコースが増えていますね。マネージャー、音響監督、アニメーター、アニメイベントのスタッフなど、多岐にわたります」

 裏方業の人気が高まっている理由について、落合氏は「ネット情報」と「現実的な若者の増加」が原因と推察する。

「先程も少し触れましたが、今はネットで検索すれば、専門学校の授業内容や業界の厳しさを、中高生でも事前に知ることができる時代です。声優の専門学校の学費は、相場が100~150万ほどと結構かかりますし、レッスンも過酷。運良くデビューできても仕事が安定しない職業です。現実的な若者は、不安定な仕事は避け、『声優』に携わりながらも安定した収入を得られる裏方業への就職を目指すというわけです」

 こうした現実的な若者のニーズを各専門学校は素早く察知し、受け皿となるコースや学科を用意しているのだ。

「中には、声優と裏方、どちらの仕事にも魅力を感じて悩んでいる子も多くいます。そういう子のためには、学校側は『声優コース』、『スタッフコース』のほか、『声優&スタッフコース』というような、どちらの勉強もできるコースも用意しているのです」

 スタッフとしての授業では、声優コース同様、礼儀作法を含む座学の授業に加え、音響監督なら声優へのディレクションの練習ができるなど、実践形式の授業も行っているという。

 アニメは、日本が世界に誇るカルチャーのひとつだ。その未来を担う多くの若者が、思う存分学べる環境が整ってほしいと願うばかりである。(文中敬称略)

取材・文/ますだポム子(清談社)

2019年10月17日掲載

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