認知症の母が口紅をつけ満面の笑顔で――閉ざされた家族が再び社会へ開かれたきっかけとは【ぼけますから、よろしくお願いします。】

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 ある年の元旦に、認知症発症後の母親が発した言葉がタイトルになった映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』。ディレクターの信友直子さんが監督・撮影・ナレーターを務めたこの作品は、ミニシアター単館上映で2018年11月から公開されるや話題を呼び、上映館全国100館近く、動員数10万人を超えるドキュメンタリー映画としては異例のヒットとなっています。

 陽気でしっかり者の母親が徐々に「出来なくなっていく」一方、家事はいっさい妻任せで90を超えた父親が「やらなければならなくなる」様子を時に涙ぐみ、離れて暮らす自責の念や夫婦・家族の絆を噛みしめつつ見つめる娘。...

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