「奈良帝国」の建国(古市憲寿)
奈良は行くたびに発見がある。東大寺といえば大仏殿が有名だが、二月堂まで足を延ばすと高台から街並みを一望することができる。僕が訪れたのは日没の時間。生駒山に落ち込んでいく、空一面に広がる夕焼けを眺めることができた。
と、新幹線に置いてある雑誌のような文章を書いてしまったが、「行くたびに発見がある」というのは傲慢な考え方だと思う。著者が「発見」だと思っているものは、地元にとって「常識」という場合が珍しくないからだ。二月堂の夕日にしても、奈良県が絶景ポイントとして景観資産にまで指定している。...